part189 ページ47
「！…姉さん…！？」
アルバが意識を失ったと同時に
別室で閉じ込められていたアルヴァスは
切羽詰まったように声を荒げた。
「(どういうことだ……
姉さんの意識が消えた…！？
いや、それ以前に……
この気配は…！！)」
『アルヴァス様…！』
アルヴァスが禍々しい気配を感じたその時、
窓から小さな光がすり抜け
彼の…紋章の入った片頬に吸い込まれた…
「！
……神鳥のたましいか…」
『はい。
アルバ様が意識を失う前に
僕をアルヴァス様の元へと送り出したのです。
……アルバ様は…』
「……なんとなく、想像がつく。
………………。
とりあえず、俺もここを出ないとな……。」
アルヴァスは悔しげな表情をして
必要最低限のものしか置いてない部屋を見渡す。
その部屋は幼少の頃の自身の部屋を彷彿とさせ
彼は奥歯を噛み締めた……。
「(クソッ…！今はあんなこと
思い出しているヒマはねぇだろ…！！
とりあえず、ここを脱出しねぇと…！)」
ーーーーーーーーーーーーー
「……マルチェロはあくどい男だが
あの常人ならざる意志の強さと
剣の腕とはわしも認めざるをえん。
わしは奴を利用してうまく立ち回り、
次期法皇の座を
わがものにしようと思っておった。
わしに逆らう者たちをマルチェロに始末させ
そうしてただ、わしは待っておればよい。
ただ、地ならしをして
あとは待つつもりだったんじゃ！
……まさか、こんな事になってしまうとは。
このわしが、あんな若造に……。
おお……。
耳をすましてみろ。
地下から響く囚人たちの嘆きの声が聞こえる。
とうとう……この世の地獄
煉獄島に着いてしまったか……。」
ニノ大司教の嘆きは止まらず
全てを話し終えると同時に
煉獄島の地下牢屋に着いた……。
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