part188 ページ46
「アンタ…!
それをどうする……
!…いや、それ以前に…
何とも…ない……のか…?」
ドルマゲス、ゼシカ、レオパルド……
杖を持った者は暗黒神ラプソーンに支配され
正気を失っていた……
それなのに、目の前にいるマルチェロは
正気であるし、ラプソーンの気配も
近くにあるというのに小さい……
そのことに驚いていると
マルチェロはくっくっ…と笑い出した。
「“暗黒神ラプソーン”…
確か、そういう名前だったか。
たしかに聞こえましたよ、暗黒神の声が。
ですが、あいにく私は命令されるのが
嫌いでしてね。
そんなものは無視しました。」
「っ!?」
なんて精神力だ…
アルバはマルチェロの意志の強さに驚き
これから起こることを想像し体を震わせた。
「マルチェロ…!
今すぐその杖から手を離しな…!
じゃないと……
「暗黒神のチカラは私が支配する。」
!!?」
「この膨大なチカラを制御するために
あなたのチカラを借りたいのです。
アルバ様」
「っ、誰がアンタなんかに…!!」
「拒否権など存在しない。
なぜならあなたは今から私の支配下となるのだから」
マルチェロは抵抗し続けるアルバに向けて
杖を振りかざす。
するとその杖は不気味に光出し
アルバの頭の中で声が響いた……
『我に従え。我に抗うな。我に委ねろ。』
「くっ……わた、し…は…!!」
『アルバ様…!』
アルバはその誘惑に負けず、
身体の中にある神鳥のたましいと共に
ラプソーンに抗う。
だが、徐々に身体への疲労感を感じ始め
アルバの身体からチカラが抜け始めた……
「ぐっ……!」
『アルバ様…!』
神鳥のたましいがアルバに声をかけるも
アルバは自分の意識を保つのに精一杯であり
その声は遠く聞こえた。
「っ…
(神鳥のたましいよ…!
アルヴァスの元へ…!)」
『!?ですが…!!』
「(私よりも……っ
アルヴァスの方がまだ、希望が…ある…!
あいつを…、エイトを…、みんなを…
信じるんだ…!!)」
アルバは神鳥のたましいに語りかけ終わると
意識を失い、マルチェロの腕に抱かれる。
それを見たマルチェロは満足そうに笑い
その美しい頬に手を添えた……。
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