part184 ページ42
「「「！？」」」
「この気配…！
レオパルド…いや暗黒神ラプソーンだ…！」
「もう来ていたのか…！
くそっ！」
エイトたちは弾かれたように走る。
しばらくするとパリーンッ！とガラスが割れるような音がしエイトたちは走る速度を速めた。
「やはり奴の狙いは法皇様か…！！」
「あのやろ、窓から入るたぁ
なんて行儀の悪い犬っころだ！
あれは盗賊の専売特許でげす！
兄貴！早いとこ
あの黒犬の野郎をつかまえて
とっちめてやるでがすよ！」
法皇の館へと入ると
入り口付近にニノ大司教が慌てた様子で
エイトたちに駆け寄ってきた。
「大変だ！法皇様が……
怪しい者が法皇様のお部屋に
侵入したらしいのだ！
お前たち頼む！
法皇様をお助けしてくれ！
そして……
くれぐれも忘れるな！
法皇様に伝えるのだ！！
最初に救援の兵をよこしたのは
このニノ大司教。
わしの手柄なのじゃと！」
アルバやアルヴァスがいるにも関わらず
ニノ大司教はそんなことを言う。
だが、エイトたちはそんなことを気にしている場合ではなく法皇の部屋へと急いだ。
〜法皇の部屋〜
「お祖父さ……法皇様っ！！」
法皇の部屋に着くや否や
アルヴァスがバンッと乱暴に扉を開け
中へと入る。
中では倒れた兵士や聖堂騎士団員がいて
その中心では法皇とレオパルドが対峙していた。
「なんというまがまがしい気配……！
あの獣はいったい……！？
！！アルヴァス！？
おまえさんはアルヴァスか！？」
「はい！姉さんも一緒です！」
アルヴァスとアルバは法皇を守るように立ち
剣に手を触れ構える。
勇ましい双子の孫…しかも孫娘の方は
はじめて会うに等しい状態ゆえか、
法皇はその姿に目を細めた。
「法皇様、お下がりください。
この獣は私たちが」
「……任せたぞ、アルバ」
「！…はい。」
エイトたちがレオパルドに武器を向けると
頭の中にラプソーンの声が響いた。
『……ほう。
レティスのチカラをその身に宿したか。
くっくっく。
……面白い。
よかろう。
最後の賢者を殺す前に
お前たち。血祭りにあげてやるわ！』
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