part170〜双子戦〜 ページ28
ガキンッ！！
アルバとククールの武器がぶつかり合い
辺りに火花が散る。
「アルバ…！」
「ふん……」
「ぐあっ…！」
ククールはアルバに腹を蹴られ
後ろへと吹っ飛ぶ。
だがその間にエイトとベホマの呪文が
ククールを包み、傷を回復させた。
「アルバさん…どうして…！！」
「おい、余所見とは良い度胸じゃねぇか」
「！！」
ゼシカが戸惑っている間に
アルヴァスが上へと跳び大剣を振りかざしていた。
「ゼシカ！」
ガキンッ！！
それをヤンガスが斧で受け止め
アルヴァスを弾き飛ばした。
「っと…」
「……」
アルバとアルヴァスは
戸惑い慌てるエイトたちを冷たい目で見た。
“もう終わりか？”エイトの中でそんな声が聞こえた。
『立ちな、エイト！
そんなんじゃ、立派な近衛兵にはなれんぞ！』
『相変わらず泣き虫だね、エイト。
ほら、おいで。傷を治してあげる。』
『さあ、かかってきな。
また負かしてやるよ』
……エイトは
アルバのその瞳に既視感を感じた。
そうだ、今まで旅をしていて忘れていたが
あの目は昔、近衛兵の成り立てだった自分に
稽古を付けてくれた時の目だ。
「！」
エイトは持っていた槍を収め、剣を握る。
それを両手で握ると真剣な眼差しでアルバを見た。
「……アルヴァス。」
「！…了解」
その眼差しにアルバは目を細めると
アルヴァスに一声かけ
短剣を持つ手にチカラを入れた。
「兄貴！」
「おっと。
お前たちの相手は俺がやるぜ。」
「！アルヴァス…！」
アルヴァスはチラッと
止まり木に止まるレティスを見る。
彼はレティスから視線を外すと
目の前で顔を顰めているククールを見た。
「……かかってこいよ。
お前たちがどれだけ強くなったのか
俺が見極めてやっからよ」
そして彼はニッと不敵に笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
