part145 ページ3
北西の洞くつ。
そこは寒く、地面も氷が張っていて
みんなは歩き辛そうにしながら先へと進んだ。
「っ!」
「っと、ゼシカ、大丈夫?」
「は、はい…!
思ってたよりも滑りますね…」
「あぁ。
気をつけて行こう。」
ゼシカとアルバは支え合って
先に進む男性陣を追いかけた。
しばらくすると、
草がたくさん生えている場所に着き
その近くには焚き火の跡があった。
「まだ消えて間もないから
この先にいるかもしれないな。」
みんなは先へと進む。
だが時々落ちてくる氷柱により
道が塞がれたりし険しい道を辿った。
「グラッドっていう男は
こんな所に薬草園を作ったのか。
その根性には尊敬するぜ……」
「オレにしてみれば尊敬にも値しないがな…
ったく、気の遠くなる道のりだぜ……」
ーーーーーーーーーーーーー
洞窟の最奥。
氷柱が塞いでいて通れはしなかったが
その隙間から倒れている男が見えた。
「だれか……誰か、いるのか……?
誰でもいい……助けてくれ。
身体が凍えてしまって、動けないんだ。
助けて……。」
男の様子にエイトたちは焦るも
氷柱が邪魔をして通れない。
その時、エイトのポケットからトーポが降りて
タッタッタ…と氷柱の隙間に入って行った。
「トーポ?」
トーポは何をしてきたのか
奥の方で大きな物音がしたと思ったら
トーポが戻って来てその小さな足でビシッと奥の方を指した。
エイトたちは?を浮かべるも先へと進む。
そこには先ほどまで通れなかった道が
氷柱によってできていてエイトたちは驚きながらもこれなら男のもとへ行けると急いで行った。
「私は、オークニスの薬師グラッド。
この洞くつで薬草の採取をしていたら
突然オオカミに襲われて……。
あわてて奥に逃げこんだら
落ちてきたつららに閉じ込められて
出られなくなってしまったんだ。」
男…グラッドはそう言うも
まずは身体を温めなければと
袋の中を探っているとグラッドはメディから預かった袋を見て目を見開いた。
「その袋は、まさか……?」
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