part156 ページ14
エイトたちが開けた扉へ
スタスタと入って行くゲルダ。
だがそれをヤンガスが止めた。
「お……おい、待てよ。
勝手なことばかり言いやがって！
それにここにゃ魔物も出んだろ？
お前ひとりでお宝がある場所まで……
「待て、ヤンガス」
イダッ！？
な、何すんでがすか！アルバ！」
ゲルダを止めたヤンガスだが
アルバにより背中を叩かれ言葉を遮られた。
「そこのゲルダって女は盗賊なんだろ？
なら宝のために命張らなきゃ意味がないだろ。」
「へぇ、言ってくれるね。
ヤンガス、そこの女の言う通りさ。
見くびってくれるじゃない。
あたしのしのび足の実力はあんたも知ってるだろ？
魔物どもなんかに
見つかるようなヘマはしないさ。
動きの鈍いあんたとはちがってね！」
ゲルダは鼻で笑うとアルバに目をやる。
二人の目が合うとどちらともなく口角を上げ
ゲルダは先へと進んで行った…
「(怖ぇよ姉さん……)」
アルバは犬の頃だった屈辱だったのか
ゲルダに対しての対抗心が強く
彼女の背中をずっと睨みつけていた。
「カギを開いてたのは私たちなのに
なんでゲルダさんは
とっとと先に行っちゃうの？
まったく！
ヤンガスがしっかりしてないから
こういうことになるのよ！」
「……ぐぬぬ〜。
返す言葉もないでがす、が！！
元はと言えばアルバのせいでがす！
「あ"？」
……失礼しやした…」
アルバに睨みつけられたヤンガスは
先ほどの威勢を無くしそそくさとエイトの背中に隠れた。
「アルバ、すっげぇ怒ってんな」
「……まあ、あの時の屈辱が
今でも忘れられねぇんだろうな。
はぁ…面倒なことになったぜ…」
アルヴァスの言う通り面倒なことになったが
今はゲルダに先を越される訳にはいかない。
エイトたちは彼女を追いかけるように洞窟の中へと入って行った……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
