part144〜オークニス〜 ページ2
「しかし、
建物の中に町があるって
なんだか不思議だな。」
「でもどの建物も丸っこくて
同じ形してて、どこを歩いてんのか
さっぱりわかんねえでげす。」
「だがこれも
寒さを凌ぐための対策だろうな。
ヌーク草の効能も相俟ってここにいれば
アルヴァスのコートもいらないよ。」
アルバは既にアルヴァスから借りたコートを脱いでいて、それを腕にかけている。
その持ち主であるアルヴァス自身も温かくなったのかそれを受け取らない様子だ。
「やはり、この町の女性は
みんな厚着してるんだろうな。
悲しい話だぜ。
まあ、重ね着された服を
一枚一枚脱がせていくのも
それはそれでいいものだけどな。」
「グムム……
とんだハレンチ野郎でがす!」
そんな時にククールから落とされた爆弾に
ヤンガスとアルヴァスはドン引きした。
だがその発言はエイトやゼシカ、アルバには届いておらず、とりあえず一安心(?)。
「お前なぁ……
これ、姉さんに聞かれてたら
一生付き合うことないと思うぞ」
「うーむ、それは困る。」
ーーーーーーーーーーーーーー
町の中では黒犬の情報は手に入れられなかったが、代わりに最近になって狼が増え始めたという情報を手に入れた。
だが、それ以外に情報はなく、
エイトたちは町の中心にある町長の家に来た。
「グラッドという男を知らないかだって?
確かに薬師のグラッドなら
私の貸した部屋に住んでいるが……。
わが家の地下室から出て
地下通路を右へ右へと曲がっていった
つきあたりにあるのが、彼の部屋だ。
どういう知り合いかは知らんが
知人が訪ねてきたなら彼も喜ぶだろう。
訪ねてみるといい。」
町長に歓迎され
早速グラッドの部屋に行ってみるが
部屋の中には誰もいなく
エイトたちはグラッドと仲が良いという
男性に話を聞きに行った。
「グラッドさんを探してるですって?
自分の部屋にいないのなら
薬草園に行ってるんじゃないですか。
たしかあの人、北西の洞くつに
自分の薬草園を作っていて
よく行ってみたいですよ。」
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