SUITS／スーツ

35【過去編】 ページ36

A「はぁ…」

目を瞑ってても周りがうるさくて眠れやしない。

甲斐「…新人君。」

デスクに突っ伏していると声をかけられた。

A「あ、はい！どうしました？」

急に声をかけられて飛び起きる。

声をかけてきたのは甲斐正午、

弁護士の仕事に集中し過ぎてすれ違った時の挨拶くらいしかしてない…

甲斐「君の上司の新人いびりは相変わらずだと思ってね。」

A「…確かに、大変です。」

甲斐「どれだけ仕事を押し付けられたんだ？」

A「あ、この箱と…あとこの箱ですね。」

沢山ある箱を名札を見て彼に見せる

ダンボールいっぱいの案件が2箱。

資料や、判例の箱が3箱。

私のデスクはもうダンボールで埋まるほどだった。

甲斐「…こんなに」

彼はダンボールを開けて中の案件を読んでいく。

甲斐「この箱は俺がやっといてやる。」

A「へ？ちょっと待ってください。」

甲斐「なんだ？期限でもあるのか？」

箱を持っていこうとした彼を止める

A「やっとくって…もうそれ終わったヤツです。」

甲斐「…なに？」

A「もう片付いた案件で、あとは蟹江先生に提出するだけなんです。」

甲斐「…こっちは？」

彼はもうひとつの箱を開けて案件を読む

A「終わってます。」

そう答えるとジロっとこっちを見る

甲斐「貰ったのはいつだ？１ヶ月前か？」

A「1週間前です。」

甲斐「1週間……名前は？」

A「え？」

甲斐「君の名前だ。」

A「浅岡…です…」

甲斐「……」

え、名前聞いといてガン無視？！

スタスタ歩いてったし、なんなのあれ…

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