不遇属性と呼ばれる水魔法でてっぺんへ！ (ページ7)

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皇帝の頼みページ7

「え？皇帝閣下。何故わたくしは呼ばれたのですか？」
俺はショックの余り跪くことを忘れて聞いてしまった。
「うむ、お主ら三人にはな、わたしの頼みを聞いて欲しくてな。呼び止めてしまい申し訳ない。」
「い、いえ…そんなことは…それで頼みというのは？」
「それはあのフレイのことだ。」
「「「あぁ……」」」
隣でウィンもアースも納得した。
「物資購入の際、彼の横暴の後始末をしてくれたときいた。それでお前達には今後もあいつのフォローをして貰いたい。」
「しかし皇帝閣下、あのフレイが素直に我らの命令を聞くはずがありません。」
「分かっておる。おい、シルバよ。例の物を。」
「承知しました。」

と、返事をしたのは代々宰相を務めている名家のフォルン大公家出身のシルバ=フォン=フォルンである。白髪混じりの黒髪にピシッとしたスーツを着ている老人だ。こう見えてフォルン家は冒険者ギルドでAランク以上をとらないと当主にはなれないらしい。もちろん彼もランクAである。
「水帝様。風帝様。土帝様。こちらになります。」

といって見せてきたのは、王家の紋章が描かれた金色のカードだった。
「それは代理王権という物だ。戦場においては国王である儂を除いて、どの王族よりも高位の命令権を持つことが出来る。又、王族しか立ち寄れないところにも、立ち入ることが出来る。」
「かっ、閣下！恐れながら申し上げます。このような物は…」
「よいのだ。ウェン。これは今までの儂からの礼とお詫びだと思ってくれ。そしてこれからはそれを使ってあのフレイのフォローをしてくれ。」
「えぇ…それはもちろんではございますが…」
「うむ…なら言い方を変えよう。第五十三代皇帝、エリシア=フォン=マスカエルの名において、その代理王権の使用により、魔帝の印象を保ってくれ！」

答えは…決まっている…

「「「仰せのままに皇帝閣下！」」」
そして俺達三人は今、本当の意味で旅立つのだった。