三十三章 ページ10
『君達になら撃たれてもいい』
静かにそう言った太宰。
その嘘偽りの無い言葉は国木田を逆に冷静にさせ
改めて照準を合わせた。
「判った。
撃つぞ太宰。本当に撃つ。
最後に少し位狼狽えて見せろ」
国木田の挑発にも似た言葉にも太宰は動じず、
ただただ立っていた。
「撃ち給え」
そして、そう言い切った。
それと同時に躊躇なく国木田が引き金を引き
乾いた音がその場に響いた。
ーーーーーーーーーーーー
撃たれた勢いで仰け反り返った太宰の身体を
後ろに居た虚子が支える。
また風が吹き、静寂がこの場を包む。
そして静かに歩き出し、無線妨害機の無効範囲に入った時、国木田の携帯に通信が入った。
「もしもし」
『国木田かい？
大事だよ！“蒼の使徒”とか云う唐変木から、
次の脅迫文が来たよ！
虚子の携帯に転送してあるから、直ぐ動きな！』
国木田の携帯から与謝野の声が聞こえる。
この静寂から全て聞こえた虚子は妨害機の電源を切り自身の携帯を確認する。
「虚子」
「来てるぜ。これだ」
『謹啓
貴社へ三度御依頼を申し上げます。
本日現時刻に航空して居ります旅客航空機JA815Sに於いて、
この旅客機にて装置を除去、
旅客の安全を確保して頂きたく存じ上げます。
悪しからずご了承下さいませ。
敬白
蒼の使徒』
三度目の脅迫文。
随分と急で部の悪いものだ。
二人は顔を合わせると
仰向けに倒れる太宰の元に行き
その身体を蹴って殴った。
「何時まで死んでいる気だ阿呆。
起きて働け」
「次の任務行くぞー」
「えー？もうちょっと寝てたいのに」
むくりと起きた太宰が口唇を尖らせ
文句を漏らしたが、虚子が殴って黙らせた。
(「頭が痛い！！」
「早く行くぞ馬鹿」
「心が痛いよ虚子ちゃ_____
「はいはい、さっさと行くぞ」
ぐほぁ！！」
「……………」)
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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです！もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (
レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)
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