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三十一章 ページ8

「今すぐ納得のいく説明をしろ。
でなければ撃つ」


撃鉄を起こし、引き金に指を添える。
完全に太宰を狙ったそれに、銃を向けられた本人は無表情のまま首を振った。


「国木田君には撃てないよ。
君は几帳面で理想主義だ。
凡ての謎を解き、犯人の自白を得てから逮捕し、
司法に裁かせるのが君の理想だ。

真実を有耶無耶にしたまま、
こんな処で容疑者を撃ち殺す筈がない。」


「“蒼の使徒”に対し、司法は無力だ」


誘拐、殺人…それらの凡てを他人にやらせた『蒼の使徒』は捕まっても逃げ道は在る。
ならば、今此処で…と国木田は思い福沢から託された拳銃を構えた。


「国木田君。
仮に私が“蒼の使徒”であったとして、
そして君にとっての理想が“蒼の使徒”を速やかに撃ち殺すことであったとしても_____それでも私を撃つことは出来ない」


「それもそうだな」


カチャ。
静かに話を聞いていた虚子が口を開き、
持っていた拳銃を構える。


「……君は何もしないと思ってたよ」


「生憎、俺は焦ったいのが苦手でな。
………………さっさと済ませようぜ。」


彼女は何も宿さない瞳で太宰を見る。
_______太宰にとって、虚子は恐怖の対象だった。
見た目に反せず、姉御肌で面倒見の良い甘えたくなるような性格…だが、彼女の事を調べようにも何も情報が無い。

“仲間だから”と、味方に情報をすんなりと渡したものの、それは上辺だけの情報で結局、何も見えない。

何故、異能無効化である自分の異能が効かないのか、
何故、有力な情報を持っていながらそれを話さないのか…
何故、その情報を直ぐに手に入れられたのか、

勘の鋭い太宰でもそれだけは判らなかった。
否、虚子が判らせようとさせなかった。


「さぁて、此処には独歩が用意した無線妨害機(ジャマー)が在る。
遠隔操作での爆発は、残念ながらできねぇぞ」



2019/10/21
江戸川乱歩先生基、乱歩さんお誕生日おめでとうございます!!駄菓子とラムネ片手にお祝いしましょー!!(遅い)

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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