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三十章 ページ7

「真逆…!
奴は今、軍警の空輸機で空の上じゃ_____」


「ああ。
だが、その中で突然苦しみ始めて
直ぐに息を引き取った。

身体にはアラムタと同じ、
黒い“00”の数字が無数にあったそうだ。
恐らく犯人は同一人物だろうな」


これで、『蒼の使徒』に近づく為の道は途絶えた。
爆弾を仕掛けたアラムタに続き、
誘拐を続けていた運転手まで殺された。
恐らく…否、絶対、口封じの為だろう。

目の前で国木田が怖い顔をしているが、
不意に彼の携帯が鳴り、それを取った。


「何だ

何!」


「……」


相手は田口のようで、
依頼していた書面(メール)送信者の追跡が終わったのだろう。
国木田の口調が疾くなった。


「また連絡する」


「何の電話だったの?
国木田君の口調からして、六蔵少年かな?」


「少し黙れ」


カチャッ


「!」


電話が終わり、携帯を懐に仕舞った途端…
国木田は太宰に拳銃を突きつけた。
虚子はその事に驚くも静かにそれを見守る。


「……この拳銃は何?」


「中ててみろ」


「待ち給えよ国木田君。
この手の冗句(ジョーク)は君は嫌いだと思って居たけど」


「ああ、嫌いだ。
冗句(ジョーク)ならな」


廃墟を吹き抜ける風が三人の髪を揺らす。
その風から何かを感じ取ったのか、
虚子は静かに目を閉じて太宰の後ろに回った。


「……君もかい?虚子ちゃん」


太宰から投げかけられた疑問に虚子は何も言わず
ただただ立って居た。


そんな中、国木田は激情し乍ら問う。
何故お前の筐体(コンピュータ)から『蒼の使徒』の電子書面(メール)が来ていたのかと…

その問いに太宰の表情が消え、
抑揚の無い声が響いた。


「成る程。
六蔵少年の電話はそれだね?
あの年齢で凄い腕だ……きっと善い探偵になれる」

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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