二十八章 ページ5
『釣り具屋』
乱歩により導かれた場所は、
思ってもみなかった場所であり
一同は呆然とするも虚子と太宰はその考えを汲み取ったのか“成る程”と声を漏らした。
「そうだ、そうですよね!
乱歩さんの能力は本物だ!
うん、爆弾を仕掛けるなら
この釣り具屋しか有り得ない!
さあ国木田君、急ぐよ!」
「僕の凄さに感動しただろう、新入り君」
「はい!素晴らしい、
乱歩さんは間違い無く稀代の名探偵だ!
最高です、探偵社に入って善かった!
さあ行こう、何を惚けて居るのだい国木田君、
今なら日没に十分間に合う!」
太宰は乱歩の超推理に目を輝かせ、
子供のようにはしゃぐ。
それを見乍ら、自分の前でまだ呆然としている国木田の肩を叩いて虚子は声を発した。
「その釣り具屋までは俺の異能で飛ぼう。
ほら太宰」
「虚子、しかし」
「説明は後!
さぁ、飛ぶぜ!」
「了解!」
「頑張ってね!」
そして太宰が自分の腕を掴んだ瞬間、
虚子は異能を発動させ三人は其処から消えた。
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〜釣り具屋〜
「………はぁ……こりゃぁ、面倒だ。」
「虚子?」
釣り具屋に着く少し前から、
虚子の顔色が優れない。
真逆、異能の使い過ぎ?とも考えたが、
異能は慣れて仕舞えば疲れない筈。
ならば体調不良?
色んな考えが国木田の頭を横切るが、
虚子が釣り具屋とは違う方向に足を向けた事でその考えは振り払われた。
「お、おい!虚子!」
「爆弾は駐車場に在る車のどれかにあるのだろう?
それなのに…何処に行くのだい?」
「お前達は爆弾を頼む。
俺は“アラムタの死体”の所に行ってくる」
「「!?」」
虚子の口から出た“犯人の死体”という言葉に、
二人は息を呑む。
爆弾に、それを用意したであろう者の死体。
衝撃が強過ぎるその言葉に二人は唖然とした。
「………さっさと動け。
時間が無い。」
「……後で聞かせて貰うからな」
「あぁ。」
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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)
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