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十二章 ページ40

「あーっはっはっはっ
はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」


場内の照明が消え、少年の笑い声が響く。
舞台の中央に照明が当てられ愉快に笑う乱歩が姿を見せた。


「駄目だな莫迦だな愚かだな!
駄目な凡人が不安そうな顔をずらっと並べてるねえ!
ここから見ると不安顔の軒先市みたいで面白いね!
値札まで見えるようだ!」


乱歩は黒縁の安物眼鏡を掛けていた。
あれは異能を制御する為の道具だと福沢が嘘を吐き、与えた物だろう。
そんな事を気にする暇も無く、乱歩はペラペラと喋る。

いきなり現れた少年が、
やれ救世主だの、やれ名探偵で異能者だの、
神の御子だの…色々云う。
好き放題やっているそれに観客達は呆然とし、
福沢は胃を抑えていた。


「最高だねぇ、乱歩。」


「君たちの気持ちは判る!
解決編のない事件など厠の落書きにも劣る駄作だ!
だから僕がこうして出番構成を無視して現れ、
あらゆる謎を君たちの許に開陳してあげようという訳さ!

何故なら僕は____異能者だからね!」


声高らかにそう云って眼鏡を持ち上げる。
その視線は福沢に向いていて____


「(ご愁傷様)」


思わず同情した。
否、もう同情するしかない。
乱歩は江川と組みこうして舞台に上がった。
台風の目になってしまった乱歩の保護者的な立ち位置にいる福沢にはもう……。


「さて、それでは早速解決編に移るとしよう。
途中で起こったどうでもいい殺人事件の筋書きはどうでもいいからパスだね。」


「(何気に二回云った。)」


「名探偵ではなく異能者でもないカワイソウな君たちの関心事といえば、やっぱり最後に刃で貫かれて死んだ主役の彼だ。あの事件の真相をこれから教えよう。

よく聞いてね、

さっきこそこそ囁いてるのが耳に入ったんだけど、
君たちの中には天使が殺したと思ってる人たちが結構いるみたいだね。

ちょうどいいタイミングで、まるで天から見えない剣で刺されたみたいに見えたから、というのが理由らしい。

まずこの際だからはっきり云っておくけど_____
“天使はいる”」

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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