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四章 ページ32

噂で聞いた。
と或る演劇場に殺人予告が届いたと。


「内容は_____

“天使が演者を、
真の意味で死に至らしめるでしょう
_____V”


まーた面倒くせぇ内容…
何でこう面倒な事ばかりするんだろーな、日本って」


燃えるような真っ赤な髪を風で揺らし、
虚子は呟いた。
今居るのは演劇場が見える空の上。

虚子は風のソファーに身を預け、
殺人予告が書かれた書面を眺めていた。


「………あーぁ、
妖精の尻尾(フェアリーテイル)に帰りてぇ…」


既に叶わぬ事を口にした。
自分の声が自分の耳に入った時、
彼女は自嘲するように笑う。

下に人が集まって来た。
“もう演劇が開始するのか…”
人気の無い場所に着陸し演劇場へと入った。

ーーーーーーーーーーーー


真っ赤な髪に金色の瞳、日焼けを知らない肌。
整った顔立ちをし、珍しい髪色と目色を持つ虚子は目立つ。
だからこその配慮なのか、案内されたのは2階席だった。しかも普段は絶対被らない帽子付き。


「(めんどくせぇ配慮…)」


だがこれによってこの場にいる福沢と乱歩にバレずに済むという利点もある。
この世に生まれ落ちて溜息が増えた気がする…
そんな事を思い乍ら、また溜息を吐いた。

本鈴と共に緞帳が上がる。
劇が始まる。


ーーーーーーーーーーーー


『天使が演者を、
真の意味で死に至らしめるでしょう』

予告状と今回の劇は似ている。
この劇も『天使による殺害』が行われているからだ。
十二人の登場人物を天使が殺して行く、そんな物語。

だが殺害手段はナイフ、落下死、扼殺、毒殺____
人間でも出来る事。
天使なら_____と登場人物達が案を上げて行く。

十二人は天界に追われ人間になってしまった元天使たちが、神の許しを得る為に古い劇場に集まる。
登場人物たちを殺して行くのは天使なのか、それとも元天使である自分達の誰かが____という推理物語も交えた物語だ。

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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