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四十二章 ページ19

「失礼します」


或る日。
国木田と虚子は膨大な業務を終わらせた後、
社長室に喚ばれた。


「業務は如何だ」


「如何もこうもねぇよ
忙し過ぎて目が回る……
否、それ以前に過労で死ぬ

治の野郎は逃げたしよぉ………
はぁ」


「あの男、事務仕事が厭だからと事務員に書類仕事を丸投げし、軍警調査部の取り調べからも逃げ通しです。

奴は一度熱湯の釜に突き落としてやらねばなりません。死んだら喜ぶので、死なない程度に」


「官憲の目の届かぬ処で、露見せぬように遣れ」


「許可するのかよ」


変な処で天然を発揮した福沢に突っ込みを入れるも
それを無視されて話を続けられた。


「今回は良く遣った」


「無視かよ」


「(無視)
軍警の将官より、直接褒状が有った。
“爾ら市井探偵業の鑑なるべし”____だそうだ。
私も肩の荷が下りた。

一時は______
探偵社の看板を仕舞おうかとも考えた」


“人命より尊き看板など存在せぬ。”
探偵社の所為でそれを危うくさせるなら…と福沢は考えたが、それは3人の力で解決した。


「それで国木田、虚子。
宿題の答えは出たか」


話は変わり、太宰の入社試験の話になる。
2人はある意味表情を堅くさせ、
徐に口を開いた。


「太宰の事であれば、もう結論は出ています。
あの男は最悪です。先輩の命令は無視する、
職務中にふらりと消える、自 殺が趣味、女に甘い、
力仕事が嫌いで事務仕事は怠ける。
社会不適格者の旗手(カリスマ)のような男です。
他の仕事に就けば、三日と持たずに放逐されるでしょう」


「(ひでー言われよう…)」


「____ですが、
探偵社として見れば、太宰は最高の逸材です。
数年と待たず、奴は探偵社屈指の調査員になるでしょう。

奴は____合格です」

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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