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三十六章 ページ13

『蒼の使徒』は姿を見せず、誘拐犯や爆弾魔を唆し、自分の手は一切汚さない策略家。
これ程の事が出来るのは相当頭が切れる者しか居ない。

太宰はその犯人の尻尾を掴もうと、
実行犯として動いていた。

そして今。
太宰が死んだと思われた中、届いた脅迫文。


「探偵社からすれば最悪の(タイミング)だよ。
空を飛ぶ飛行機に飛び移って解除など出来る筈がない。

その脅迫文を書いた筈の私は、
つい今しがた国木田君が撃ち殺して了った。
八方塞がりで投了。
探偵社は終わりだ」


相手が太宰でなければ、
犯人の筋書きはそうなっていただろう。
だが今、それは崩れた。


「方法は一つしかない……
お前が仕掛けた座標発信器を追って、
“敵の本拠地を直接叩く”!」


「奴等に一泡吹かせてやろうじゃあないか」


「ならさっさと行くぞー。
焦ったいのはゴメンだぜ」


ーーーーーーーーーーーー


太宰が仕掛けた発信器は、
今自分達が居た所から少し遠い所に止まっていた。
虚子の異能で直ぐ飛べる所だが、それより先に探偵社から航空機内と連絡がついたという連絡が来た。


「よく旅客の持込品にそんなのがあったな」


“そんなの”とは、通話可能な映像通信端末の事。
偶然にも旅客の一人が持っていたらしく、
虚子の携帯にそれが転送された。


『あ……あたし、ひこうきに乗ってる、人、です。
これを持ってたママは気持ち悪くなって……
かわりに、あたしが、話しています。
ひこうきの、高さが、どんどん、下がって、
たくさんの人が、泣いたり、さけんだりで……』


「こちら地上。
お嬢さん。聞こえる?」


旅客席の映像がパッと映し出され、
其処に映ったのは10に行くか行かないか位の女の子だった。
周りの大人達が泣き叫び、機体も揺れる中、
恐怖から涙を溜め顔を歪ませている。

その通話には虚子が出て、
女の子を安心させるような声音で話を始めた。

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スート(プロフ) - セレーナさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しい限りです!もうちょっと増やせるように頑張りますが…恐らく次回になりそうです… (2019年12月23日 9時) (レス) id: 1c1bb3d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 面白い作品ね。だから碧ちゃんと太宰さんとの絡みをもう少し増やしてほしいわ (2019年12月23日 1時) (レス) id: c6e49e4b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 8時

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