【ドラクエ8】呪われた姉と聖なる弟 (ページ40)

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part86 ページ40

「ガウッ」

「え"！？
ね、ねえさっ！？」

目の前にいる姿を変えた姉に
つい大声を出しそうになるが
すぐ近くにチャゴスがいることに気付き
パッと口を塞ぐ。

「とりあえず、後で事情を聞くからな」

小声でそう言ったアルヴァスに
アルバは頷き、馬車に乗り込んでいるチャゴスを見て、歩き出した。

のだが……、

「ええい！せまい、せますぎる！」

っと、城から出てすぐ、
チャゴスが馬車から出てきた。

「なんてせま苦しい荷台だ。
あのジャマくさい釜さえなければ
もう少しゆったりできたものを……

それにしてもなんだコイツは？
こんな化け物みたいなおっさんを連れて
よく今まで旅をしてこられたな。」

「……チャゴス王子、
この者たちに対して失敬ですよ。」

「うるさい！
ぼくに命令するな！」

「だから、命令してませんって」

やれやれと溜息を吐いていると
横でヤンガスが
“おっさん、どうしたんでげす？”
とトロデに問いかけていた。

「いつもだったら
わしはこうみえても王様なんじゃぞって
食ってかかるのに。」

「ちょっと、耳をかせい。

今はわしも姫もアルバもこんな姿じゃ。
チャゴス王子にあなたの婚約者は馬になってしまいましたとは言えんだろ。

だから王子には
本当のことをふせておくつもりじゃ。
他のみんなにも伝えておいてくれ。よいな？」

それを聞き、
アルバは納得いかないような顔をして
チャゴスを宥めている弟を心配そうに見つめた。

「クゥーン……」

「ところで王子様。
これからどちらへ向かいましょう？」

「……気は進まぬが
ここから東にある、王家の山へ向かってくれ。
そこが王者の儀式の地なのだ。」

チャゴスはエイトに人間の匂いを消すための
トカゲのエキスを渡し、
これからの行動について説明した。

王家の山までは馬車の荷台に隠れていることと
山に着いたら自分で歩いてやるとのこと。

なんとも上から目線な発言に
アルバはこれから先の旅が不安となった…