第五十六話 ページ9
「っしょ」
流氷を砕いて次の流氷に飛び上がる。
大きい音を立てて崩れていくのを横目に、流氷を駆け降りて砕く。
こんなことの繰り返しだが、筋肉痛にならないのは身体強化のおかげか。
もはや自分が人間なのかも疑わしい。
フォスが眠って百一年が経過した。
来年の春にフォスが起きる。
ここまで、長かったような短かったような。
あれだけこのときを待ち望んで変わらない日々を過ごしてきたが、ようやっとその時がくると今までの生活が嘘のように早く感じる。
元いた世界では“五億年ボタン”とかいう話が存在していたが、とてもじゃないが私は遠慮しておきたい…
百年生きた経験者としての意見である。
長い時を過ごすのは人間にはこたえる。
………………
「あぶない！」
「っえ」
流氷に向かっていると、上からカンゴームの声。
なにごとかと見上げると、頭からこちらへ突っ込んでくるカンゴーム。
なにがあったのか分からないが、よく見ると足が欠けている。滑ったのだろうか。
そんなことを呑気に考えてしまうほど、周りの光景がスローモーションのようにゆっくりと動いて見えた。
ゴツン、と鈍い音がして私の頭とぶつかった。
「ぉ…わ」
まずい。
意識が、遠のいた。
………………
「っは」
意識が覚醒し、飛び起きる。
すこし頭痛がするが、周りを見渡すとどうやら自室のベッドの上。部屋とは思えないほど緑が生い茂っている。
服は寝間着用のものに着替えさせられている。
「またか…」
また気絶してしまったようだ。
なんだかんだで意識を失うことが多くないだろうかと頭を抱える。
外を見ると夜のようで、カンゴームは寝ているだろうか。
気を失うときは、先生も確か昼寝＿＿瞑想中だったはずだ。
私が起きても報告する相手もいないだろうと、すこし目眩のする頭をおさえて再び眠りについた。
………………
再び目を覚ます。
すっかり習慣になった早起きで、寝間着から着替えて廊下に出る。
他の宝石も起きてきたようで、廊下にカラフルな光が反射している。
「…ん？」
他の、宝石＿
「起きたか」
廊下に出て通路を眺める私の後ろから話しかけてきたのは、議長。
…どういうことだろうか。
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翡翠(プロフ) - イルカさん» 月衣装載せました！ 第八十九話をご覧ください (2022年11月27日 21時) (
レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - イルカさん» あります！が、かなり前に描いたものなので修正してどこかにアップしようと思います。その時に伝えさせていただきます！ (2022年8月10日 13時) (レス) @page50 id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装イラストありますか？ (2022年8月10日 12時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装 画像のっませんでしたか？か？？ (2022年8月10日 2時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 氷空音さん» コメントありがとうございます。私もそう思って書き始めただけの自己満足作品なので、これだけhitが付いて驚いてます。遠からず終わってしまいますが、お付き合いいただけたらと思いますm(__)m (2021年1月21日 22時) (レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2020年11月25日 19時
