第八十二話 ページ35
パパラチアと宝石たちが話していると、セミを後ろにフォスも歩いてきた。
「皆を砂から再生するようエクメアに打診した」
「パパラチアがこの通り戻った」
「期待してもいいと思う」
たしかに私が会ったときよりも調子はよさそうだ。
気付くと、隣のカンゴームがどこかへ視線を向けている。
「あいつだ」
視線の先を見ると、エクメアが歩いてきていた。
現代にいたらモデルにでもなれるだろう。
＿それは宝石も同じか。
………………
中央の長机を囲んで、エクメアを向かいにして座る。
セミはエクメアの後ろに立っている。
「金剛は人間に好意を持たせる物質を発する」
「感情的理由で廃棄される可能性を危惧した制作者が」
「補助的につけた性能と思われる」
難しいお話が始まってしまったが、とりあえず黙って聞いている。
「脆く割れる君たちが」
「二人一組で自発的に行動する」
「種を守るための効率的な戦闘とはとても言えないな」
「むしろ」
「君たちが中央にいる金剛を守る構造だ」
「金剛がそれを放置しているのは」
「原子配列さながら自然とその形になってしまうからだろう」
「よって現状に落ち着くしかなかった」
ゴーシェはなんだか分かっていなさそうな顔をしている。
「ここでクイズだ」
途端に話のベクトルが変わった。
「金剛は人間にとって最も尊いものを君たちに与えた」
「何かわかるかな？」
「美形」
フォスが即答する。
「ああ……」
「まあそれも尊いが……」
エクメアが困っている。
しかし宝石たちは口々に思いやり、元気、優しさ、などと言い合っている。
「美声？」
と、私もなんとなく参加したが、なぜか横のカンゴームにどつかれてしまった。
何故。
「正解は」
「自由だ」
皆の声を遮るように、エクメアが再び話し始めた。
「厳しい制御の中にいる自身への裏返しか」
「あるいは」
「君たちにかつての主人である人間に」
「近い存在でいてほしいのかもしれない」
丸いよく分からない団子のようなものを細長い菓子切りに似た道具で切り、セミに渡している。
すこし気になるが今は黙っておく。
「本当の自由は自ら手に入れるべきだ」
「以上だ」
「よく休んでくれ」
と、話が終わった途端に
フォスが立ち上がる。
「パパラチアとイエローを連れて」
「夜襲をかけたい」
さすがに私はお呼ばれしないようだ。
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翡翠(プロフ) - イルカさん» 月衣装載せました！ 第八十九話をご覧ください (2022年11月27日 21時) (
レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - イルカさん» あります！が、かなり前に描いたものなので修正してどこかにアップしようと思います。その時に伝えさせていただきます！ (2022年8月10日 13時) (レス) @page50 id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装イラストありますか？ (2022年8月10日 12時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装 画像のっませんでしたか？か？？ (2022年8月10日 2時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 氷空音さん» コメントありがとうございます。私もそう思って書き始めただけの自己満足作品なので、これだけhitが付いて驚いてます。遠からず終わってしまいますが、お付き合いいただけたらと思いますm(__)m (2021年1月21日 22時) (レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2020年11月25日 19時
