第五十話 ページ3
「先生」
霧散する月人から飛び降りて着地し、先生に声を掛ける。
戦闘に夢中で気が付かなかったが、そろそろ日が沈みそうだ。
カンゴームは向こうで伸びている。
ずっと追いかけ回されていたからさすがに疲れたみたいだ。
これはそろそろ本気で白い服を着るよう言わねばならない。
「ふたりとも 無事か」
「はい」
「すみません ありがとうございます」
私の顔より大きい先生の手が、優しく私の頭を撫でる。
先生を見上げていると首が疲れるので、顔を逸らしてカンゴームに駆け寄る。
うつ伏せに倒れているカンゴーム。
その傍らにしゃがみ、頭をつつく。
「カンゴーヌン」
「やめろ」
ぱしっ、と手を払い除けられる。
カンゴームは勢いよく起き上がって先生と共に学校へ歩いていく。
先生は私の方をちらりと見て、手招きして再び歩き出した。
カンゴームに置いてかれた。
………………
細かい報告を済ませ、いつもは部屋に戻るところ今日はカンゴームに着いていく。
実は冬になる前、レッドからカンゴーム用の白い服を預かっている。
長袖の真っ白な服。
それをいい加減カンゴームに着せてやろうとの魂胆だ。
「着いてくるな」
私が部屋まで着いていくつもりだと気付いたのか、カンゴームが歩く足を速める。
どちらにしろカンゴームの部屋は知っているので意味無いのだが。
「なんなんだ」
なんだかんだで部屋まで着いてきた。
私を気にせず、さっさと寝る支度を整えてしまう。
本当に最後まで私を無視して寝ようとするので、叩き起こして服を手渡す。
カンゴームは嫌そうな顔をしながらも渡した服を広げて見る。
「レッドベリルに言われたか」
「今日みたいになったら困るし」
「私に矢が当たったら…嫌だから」
私には痛覚があるんだ、と付け加える。
カンゴームには、私の体質は説明してあるので話は早い。
原作だと白い服を着るのはもう少し後なのだが、私まで酷い目に合うのは遠慮したい。
「明日からこれで」
おやすみ、とカンゴームの部屋を出た。
素直に聞いてくれるのか、果たして。
そんなことを考えながら、自分の部屋に向かって歩き出した。
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翡翠(プロフ) - イルカさん» 月衣装載せました！ 第八十九話をご覧ください (2022年11月27日 21時) (
レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - イルカさん» あります！が、かなり前に描いたものなので修正してどこかにアップしようと思います。その時に伝えさせていただきます！ (2022年8月10日 13時) (レス) @page50 id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装イラストありますか？ (2022年8月10日 12時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 夢主の月の衣装 画像のっませんでしたか？か？？ (2022年8月10日 2時) (レス) @page42 id: 1a3e622205 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 氷空音さん» コメントありがとうございます。私もそう思って書き始めただけの自己満足作品なので、これだけhitが付いて驚いてます。遠からず終わってしまいますが、お付き合いいただけたらと思いますm(__)m (2021年1月21日 22時) (レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2020年11月25日 19時
