380話 ページ48
なぁんてわちゃわちゃしているうちに、時刻は九時半を回っていた。
昨日クロノスで時間遅らせてたから余計に早く感じる。
「理子ちゃん、私一足先に東京で用事があんのよね」
「なに…!!?!?」
「え、そんなショック受ける…?」
ベートーヴェンの運命を効果音に、理子ちゃんが真っ白になってしまった。
どれだけショックでも止められても十時に東京に行かなきゃいけないからな…理子ちゃんには悪いけど…
七海と灰原くんにももう一回会いに行きたいからそろそろここを出たい。
腰にしがみついてくる理子ちゃんを黒井さんに剥がしてもらう。
「あんがと。
理子ちゃん、用が終わったらすぐ合流すっからさ。その間はこの二人を頼りなよ」
「……………わかった」
絞り出すように答えた。
私のなにがそんなに気に入ったんだろう。
唯一の女だから………いや、黒井さんいるし。
ともかく、夏油達も任せとけって顔してるから大丈夫そうだ。なんにも大丈夫じゃないけど。
「じゃ、また」
「A!! 絶対帰ってきて!!」
理子ちゃんは目に涙を溜める。
「…ふふ、うん。約束ね」
さて、果たして守れるかな。
部屋を出て、閉じられた扉。
それがまさしく私と理子ちゃんを隔絶する壁になった。
もう生きてる理子ちゃんに会うことはないかもしれない。ほんの数秒、扉を見つめていた。
「…夏油」
「もういいのかい?」
霊夏油は私を心配する。
「全然よくないし踏ん切りついてないけど、よろしく。
ていうかややこしいから死んだほうは名前で呼んでいい?」
「それ、このタイミングで言うことなの? いいけど。ほら飛ぶよ」
すぐに変わった景色と目の前に現れる金髪。
「お゛」
「…………ご、ごめんA」
げと…じゃねぇ、傑に謝られる。
本当に偶然七海の目の前に飛んでしまったらしい。
七海はポーカーフェイスを崩さないまでも驚いて固まった。
「……術式、使うなら場所考えてくださいよ」
「すまん…」
頼ってる私は文句を言える立場ではないが、トイレとかに飛んでくれたらいいのに…術式だと勘違いしてくれたから良かったものの。
責めるつもりはないが、傑はこれでもかと言うほどにしょんぼりしている。そんな反省する??
「周り…人いなくてよかった…」
「肝を冷やしましたよ」
「気を付けるわ…」
「当然です」
正論だけど手厳しいなこの後輩。
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翡翠(プロフ) - と_うり@ 占ツクイラスト集以外更新停止中さん» ですね😂最初のほう以外の補監はみんなチェンソーマンですw (2022年11月10日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 抹茶は正義!さん» コメント見落としてました!すみません!🙏進みます! (2022年11月10日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
と_うり@ 占ツクイラスト集以外更新停止中(プロフ) - 補助監督チェンソーマン!? (2022年11月10日 17時) (レス) @page19 id: a0d0d4f671 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶は正義! - うわあ、これからそのまま進んでいく原作は主人公ちゃんにとってつらいだろうなあ、、、がんばれええ! (2022年8月3日 0時) (レス) @page49 id: 8015273a92 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - いーすとさん» ありがとうございます!!嬉しいです、私も読者の皆様を愛しています!!🥰 (2022年8月1日 23時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年6月15日 22時