336話 ページ3
一階、二階には何もなく、三階に上がった。
「七海、その奥の部屋から呪いの気配がする」
「えぇ。私でも分かります」
LEDに照らされるピカピカの廊下をゆっくり歩く。
呪詛師の気配が見つからないので、とりあえずは七海と一緒に行動。何があるか分からないから、離れたほうが危ない。
怪しい扉の前に着き、先程と同じように目配せをする。
「メインの特級が出てきたらすぐ離れて呪詛師を探して」
「分かりました」
いかにも研究室っぽいすりガラスで出来た扉を、ぶち破る勢いで開け放った。
「…っな、なん、」
「先輩!!」
雪崩のように巨大なものが溢れてきて、私はまんまと飲み込まれてしまった。
特級呪霊ではない。
でもずっと感じてた気配はコイツのものだ。
「うん…
問題なーし、だけど」
腕を横一閃。
ひとまず脱出し、七海と共に廊下の先へ逃げる。
突き当たりに立って呪霊のほうを振り向く。
「うわッわわわわ」
きも!!!!!
肉塊から人間の手足や頭が生えたような見た目。
それが蠢いて巨大化し、私が薙ぎ払った傷もすぐに塞がっていた。
いや、きもいきもいきもい何?
さすがに永遠の悪__違う違う呪霊…とか直球じゃないよね?
「等級は低い…けど増殖に際限なさそう。薬品に火がつくと危ないから怪火は使えないな」
つーか、コイツは……
私達に迫りくるところだけを削りつつ考える。
「……うーん、多分ブラフだ」
「ブラフ?」
私達のいる廊下の突き当りを厚い氷で覆った。
呪力感知の範囲を広げ、確信。
「特級と見せかけ違う奴だった。このビルに呪いの気配はアイツだけ。てことは違う場所にいる」
「…横の廃ビル」
「ピンポーン」
確かに感じる、肉塊呪霊よりも強い呪力。
そろそろ氷が音を立て始めた。
長々説明してる暇はなさそうだ。
「向かって右のビルに呪詛師二名。左に呪霊だ。いける?」
「えぇ、問題なく」
「オッケー。じゃあ__」
ピシ、と一番の音を上げた。
大きなひびが入り、そこから広がって氷は支えを失う。
私と七海は氷が砕けた瞬間反対側に駆け出した。
予定通り七海が呪詛師を、私が呪霊を。
左のビルに向かい合う窓を割って出て、呪霊の手を逃れる。
七海も同じことをしているだろう。
そのまま突き破り、廃ビルに突入した。
「大正解かな」
あの呪霊なんて目じゃないほどの邪悪な呪力を感じた。
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翡翠(プロフ) - と_うり@ 占ツクイラスト集以外更新停止中さん» ですね😂最初のほう以外の補監はみんなチェンソーマンですw (2022年11月10日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 抹茶は正義!さん» コメント見落としてました!すみません!🙏進みます! (2022年11月10日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
と_うり@ 占ツクイラスト集以外更新停止中(プロフ) - 補助監督チェンソーマン!? (2022年11月10日 17時) (レス) @page19 id: a0d0d4f671 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶は正義! - うわあ、これからそのまま進んでいく原作は主人公ちゃんにとってつらいだろうなあ、、、がんばれええ! (2022年8月3日 0時) (レス) @page49 id: 8015273a92 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - いーすとさん» ありがとうございます!!嬉しいです、私も読者の皆様を愛しています!!🥰 (2022年8月1日 23時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年6月15日 22時