【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【7】

293話　-起首雷同- ページ10

「なにコレ。きもい」



真人から、筒状の入れ物を渡される。



「呪胎九相図。襲撃したときの成果だよ」



私が持たされたのは形的に多分血塗。
培養液っていうのかな？それに浮かんだ一口サイズの呪物を眺める。

で、なんで私に渡したんだ。


真人と羂索が着いてきて、と言うので大人しくひょこひょこ着いてきたら、男が拘束されてる部屋に通されて、九相図を渡された。

傍から見たらどういう状況なのか分からないだろうし、私もどういう状況なのか分かってない。



「受肉させるんだよ」



部屋の出入り口にもたれている羂索。



「悠仁みたいに？」



羂索は、目を細めて頷いた。

つまりこの呪物を非術師に食わせる。
人体は無事じゃないだろうけど、九相図が目覚めれば問題ないわけだ。

あれ苦手なんだよなぁ。



「おいっ！！ アンタ！！ 金…金！？ オレ！！ そんな持ってないけどさっサラ金とかなんかあんだろ！？」



こんな状況なのに羂索しか見えていない男は、助かろうと必死だ。九相図は呪物だからこの人にも見えてる…んだよね？



「A、それ出して」

「おけー」



蓋を開けて、中の呪物を取り出す。
うわ、ヌルヌルしてて気持ち悪い。

早く離したいので真人に渡す。



「大丈夫かなぁ。この状況で俺達が見えてないとか、マジで才能ないよ」



死に際や特殊な場では見えるようになるケースが多いけど、それでも見えない人間もいるんだな。

真人が口を押さえ、呪物を無理矢理押し込む。



「はい、あーん」



悠仁のように体が呪いに適応していない男は、当然体内の異物に悶え苦しむ。

きもいきもい。
無為転変とも見分けがつかないほどに血を流しながら体が変形し、よく見知った形に成っていく。


顔の下に大きな口が付いている、呪胎九相図三番、血塗。上の顔は元の男の体にあったもので、ただの名残りだ。

ここまでなれば可愛い。


さて真人が血塗におつかいを頼んでいるとき、もう恒例となったお話割り込みスマホが鳴った。

聞かれて困ることもないが、一度部屋を出て応答する。



「はーい」

《解呪とか出来ますか》

「急」



電話の相手は恵。

主語も何も無しにそんなことを言われても、さすがの私も困る。ただ声が少し焦っているからただ事ではないと。

今はちょうど、津美紀さんが呪われてて…みたいなところかな。

でも津美紀さんが寝てる原因羂索だよね…



「今どこにいんの？」



さて突然の起首雷同編、開幕。

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