検索窓
今日:12 hit、昨日:5 hit、合計:81,194 hit

320話 ページ37

「興味ねぇな」

「なんで大人しく捕まってたの? 余裕で逃げれたでしょ」

「あ? あぁ…なんか面白ぇことが起こると思ったんだよ」



じろりと私を見る。



「んで、やっぱ起こった」

「は?」



どこから出したのか、長い刀っぽい呪具を私に向けた。
こわぁ。先端恐怖症だったら死んでた。



「テメェはなんだ? なんで呪術師名乗ってる?」

「……」



今日イチで面倒なことになっちゃったな。

でも私を殺そうと思ってるわけじゃなく、面白そうだから聞いてやるよみたいな顔だ。やめてくれ。

私は目の前の刃を掴み、下ろさせる。
手から血が出てる? すぐ治るし大丈夫です。



「Aだよ。よろしくしてくれなさそうだけど」

「人間のフリして忍び込んでんのか?」

「そんなつもりはないけど、結果的にはそうなんね」



未来から来たってことは言わずに事の経緯を簡単に説明した。もちろん高専の内部事情は漏らさないように。

甚爾は最初面白がって聞いていたが、途中から飽きてきてあくびをしていた。コラ。



「で? それでオマエはなにがしてぇんだ。人間になりたいわけじゃねぇんだろ?」

「それは違うね。私の根本はずっと、ただみんなと仲良くしたいだけだよ」

「つまんねぇ奴」



思えば最初からそうだった。
私が呪霊であれど、みんなと仲良くしたいと言い続けてきた。

その結果今があるわけで、後悔もなにもない。



「…まァ、んな話は二の次だ」

「そっちが聞いたのに」



甚爾は武器を離した。
さっきどっから出したのか気になったけど、あれだ、武器庫呪霊がいたんだ。背中で隠れて見えなかったけど。

そいつが武器を飲み込み、甚爾は手ぶらになる。
一応警戒は解いてくれたらしい。



「オマエ、俺のこと知ってるみてぇな口ぶりだったな」

「…………ありゃ」



そういやそうだった。
術師殺しと言ったって別に甚爾は有名人とかそういうのじゃないだろうし、私が知ってるのはおかしい…のか?

さっきから私の言動は確かに甚爾のことを知ってるふうだったな…しまった。

あー、どうしようかな。



「…もし私が未来から来てて、未来で君と戦った奴から聞いたって言ったら信じる?」



こうなったら真実を言ったほうが早い。

いや誰からも甚爾の話は聞いてないけども。

321話→←319話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (112 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
205人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

翡翠(プロフ) - 抹茶は正義!さん» 家入さんが一番イケメンだと思ってます…😂 (2022年6月15日 22時) (レス) id: 3a4365de5c (このIDを非表示/違反報告)
抹茶は正義! - 家入さんがかっこいしゅき (2022年6月12日 20時) (レス) id: 8015273a92 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶は正義! - オールキャラかーおもしろくなるだろうなー (2022年6月12日 20時) (レス) @page46 id: 8015273a92 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 抹茶は正義!さん» 出来るだけオールキャラ出したいので笑 (2022年6月9日 16時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶は正義! - 主人公ちゃん疲れるよねーそりゃ過去に来ちゃったんだから (2022年6月9日 0時) (レス) @page40 id: 8015273a92 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:翡翠 | 作成日時:2022年5月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。