【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【7】

317話 ページ34

東山さんに連絡し、帳を下ろして一件落着。

あとは…こちらも面倒くさいというか、この任務が面倒くさい原因のお仕事が残っている。

村に住む人への現状確認と状況説明。

さすがに「おたくらの神は私が殺しました」なんてことは言えないので、ちょっと言い訳考えなきゃ。

森からお邪魔しますはマズイので、正面から入る。
神隠しの対処をする人間が来るということは伝えてあるそうなので、問題ないはずだ。



「何者だ」



門番的な人に警戒されるが、説明をすると急いで頭を下げた。



「失礼しました！ 今は村が騒がしいもので、警戒を強めていまして…」

「騒がしいって？」



確かに、なにか嫌な感じに騒然としているとは思ったけど。

門番は誰かを呼んで、私を村に入れた。
呼ばれた男の人が歩きながら門番に変わって説明してくれる。



「いやなに、神隠しが起きているのはご存知でしょう。それが今朝、ようやくその原因を捕らえたのですよ」

「え？ …でも、神隠しの原因は」



そこまで言って、歩みを止められ思わず黙る。



「あの広場です。見えますか？」



男の人の視線の先には、井戸がある少し開けた場所。
その中央に木の杭のようなもので囲われた檻があった。

猛獣を捕らえるには無理があるが、ということは捕まっているのは人間か。村人がわらわらと集まっていて見えない。

どういうことだ？
人間が神隠しに加担してた(原因は呪霊なので冤罪だが)ということか？

そこまで言って、案内の男の人は黙って様子見モードに入ってしまったので、私も村人の言葉を盗み聞く。



「貴様が龍神様に傷をつけたことは明白なんだ！！」

「おお、なんということだ。龍神様はお怒りだ…」

「私の娘も神隠しにあったんだ！！ 全部オマエのせいだ！！」

「何故そんなことをした！？」



うんうん、面倒だな。

どうやら檻の中にいる人間が龍神を傷付けたと断定され、龍神は怒りで村人を神隠しするに至ったと勘違いしているようだ。

これ、人間の無実を訴えたら私も仲間だと思われて余計面倒なことになるな。

だから嫌なんだよ。こういう“地図にも載ってねー様なクソ田舎”は。


とりあえずここにいても埒があかない。



「あの、すみません」



ここまで案内してくれた男の人の肩を叩く。
男の人ははっとして、檻に群がる村人を見た。



「オマエ達！！ 呪術師の方が来てくださったぞ！！」

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