【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【7】

313話 ページ30

夏油が出した呪霊を分析するのは時間の無駄かな？
とりあえずデカいけどハリセンボンっぽいから物理攻撃の可能性が大か。

普通に五条の対処を優先しよう。

今の五条は赫も茈も領域展開も出来ないし、無限もオートマじゃないから未来五条よりは対処しやすい。



「……おっ」



とは言っても、順転の“蒼”は使えるんだよね。


夏油が出した呪霊と私の間にあった距離をマイナスされる。避けられず、すごい勢いで呪霊とぶつかった。

やっぱ物理か。
そう来るとは思わなかったけど、私の体に無数の太い針が突き刺さった。交流会の花御かよ。



「…これでは死なないか」

「無理だね」



手で触れたところから凍らせて、針を砕いて抜け出した。
あちこちにぽっかり空いた穴は一秒とかからず治る。

治癒力だけはナンバーワンだよ。



「ではこれならどうかな」

「お……」



体が空中で固定された。
金縛りのように動けなくなる。

なんの呪霊かは分からないけど、そういう術式だろう。



「ナイス傑」

「げ」



私の腰から下に右向きの引力がかかる。

目だけで右を見ると、私に向けて口を開ける虹龍。
なるほどアイツと引きつけられてるのか。

なんて考える時間は終わり、下半身だけ自由になったかと思えば、まぁ予想通り動かせない上半身と離される。


つまり、腰から下だけ虹龍に引き寄せられた。



「がはッ…」



口から血を吐く。

腰からはドロッとした内臓のようなものがボトボト落ちる。
体内にあった血の塊みたいなものかな。



「ゲェ、まじで呪霊なんだなオマエ」

「失礼だよ悟」



血、紫だもんね。
赤い血ほどぐろさは無いけど、キモいのに変わりはない。

解放されてそのまま地面に落下する私は、必然的に二人を見上げる形になる。

右を見れば下半身が虹龍に食われてザフッた。
いやそんなもん食うな不味いだろ。



「“テケテケ”」

「あ？ うわッッッ」



数ｍの距離を一気に詰め、五条の足にしがみついた。



「この程度で私の動きを封じられると思うなよ」



上半身だけの妖怪だっているんだよ。

にんまり笑って五条と目を合わせる。
未だ溢れる体の中身と赤く光る瞳。



「いやキモイキモイキモイ！！！！」


「！？ 悟！！！」

「あ！？！？」



ありゃ、残念。
夏油の呪霊に弾き飛ばされて五条から離れる。

五条は足の半ばまでが石と化していた。

“メデューサ”の能力。

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