143話 ページ4
「なんだぁ、みんな任務か」
学長との話が終わってから、イツメンとまた鍛錬でもしようかと思えば全員任務で出払っていた。
誰もいない教室で一人座っている。
真人がいなくなって一ヶ月ほど何もしなかった期間があり、最近になってようやくいつも通り振る舞えるようになって鍛錬も再開した。
私はもう終わってしまったことはどうにもできないと割り切って、未来に希望を持つことにした。
真人がいなきゃ原作が変わる。
私と過ごしていた真人は、原作とは違う真人だったと信じている。また新しい真人が生まれると。
それがたとえ私との記憶を持っていなくても。
「懐かしいな。こうしてここにいると昔を思い出す」
横の席に座った夏油が落ち着いた声で言う。
ちらっと見ると、高専時代の夏油がそこにいた。
「それ、自分の意思で変えれるの?」
「あぁ。さすがに自分ではない別のものにはなれないけど、こうして昔の自分や、傷とか少し状態を変えるくらいなら自由に出来るみたいだね」
「へぇ」
幽霊便利だな。
呑気にそんなことを考えていると、廊下から足音が近付いてきた。
前の扉を開け入ってきたのは、サングラス姿の五条だった。
「あれ、Aじゃん」
「お邪魔してまーす」
「みんな任務でいないんだっけ?」
五条は鼻歌を歌いながら、何を思ったのか、私から一個開けた席に座った。
つまり、夏油の隣。
もちろん五条には夏油が見えていない。
よりによって五条は何故か目隠しではなくサングラス。
「……マジか」
横に並ぶ二人を見て勝手に感動する。
家入さんも呼びたい…
夏油が見えない五条はなんのこっちゃ分かっていないが、分かっている夏油は苦笑い。
幽霊がカメラに写らないのが残念だ。
「Aってさー高専にいない間なにしてんの?」
「…寝てたり、適当に散歩したり」
呪霊にゃ学校も試験もなんにもない。
だから暇つぶしに本を読んだり、ふらっと出かけて映画を見たり。
「友達がいなくなってからは特に暇〜」
「ふーん」
「聞いといて興味なさそうにすんな」
一応夏油っていう話し相手はいるけど、逆に夏油があんまり構ってくれない。
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翡翠(プロフ) - ぽんちょ。さん» コメントありがとうございますm(_ _)mそうです!!まんまその二人をイメージしていただければと思います!w (2022年4月8日 1時) (レス) @page50 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちょ。(プロフ) - 空と蛍ってまさか原神ですか?www(全然違ったらごめんなさい!) (2022年4月7日 15時) (レス) @page21 id: e374329c1d (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 向月葵さん» コメントありがとうございますm(_ _)m誰かに伝わればいいなと思いながらネタを混ぜているので嬉しいです!w (2022年3月21日 23時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - ストーリーの構成とか、原作との混ぜ方とかが全く違和感なくていつも楽しく読ませていただいてます。七不思議2番は少し笑っちゃいましたw (2022年3月20日 23時) (レス) @page40 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年3月3日 21時