169話 ページ30
「ここも面白いものは無いな」
井口先輩が開けた部屋にもめぼしいものは無く、残るは佐々木先輩なのだが。
「あら〜これは無理だなぁ」
残りのひとつの部屋は、入り口が瓦礫で塞がってしまっていた。
悠仁と私でどかそうと思えばどかせるけど、井口先輩が危ないと言うのでやめる。
佐々木先輩はどこかホッとした顔をしているが、私達がやって一人だけやらないというのも納得いかない。
怖いとか怖くないとか、そういうのとは別の話だ。
「つまらない廃墟だったわね〜！ ほら帰るわよ！」
「佐々木、上にも部屋はあるぞ」
「ちょおっ！？ 井口！」
さっさと出て行こうとする佐々木先輩を、井口先輩が呼び止める。
ビルと同じように、今にも崩れそうな階段が一つ。
手すりは錆びて落ちてしまって使い物にならない。
「まぁ当然だよ佐々木先輩。ほら上がるぞ〜」
佐々木先輩の背中を押して階段を登らせる。
悠仁と井口先輩は一階をもう少し探検したいらしい。
「ひぃ〜…こわ」
肩をすくませて震えながらも自分で登り始めた。
肝試し言い始めたの佐々木先輩だけどね？
「…お」
踊り場に男の人が立っていた。
否、人ではない。
私以外には見えていない、その雰囲気からして呪霊でもない。そもそもこのビルに呪霊の気配は無い。
夏油や灰原くんと同じタイプの幽霊だ。
地縛霊かな？
幽霊は階段の上を指差して、なにかを伝えようとしているようだった。
「…？」
上には階段をスローペースで登る佐々木先輩。
「…ぁ！！ 佐々木先輩！！！！」
足の下には突き出た鉄筋と、白骨死体。
「ヒッ…」
佐々木先輩はそれを見て声を上げる。
無理もない。
「A！？」
私の叫び声を聞いた悠仁と井口先輩が駆けつけて、悠仁と一緒に佐々木先輩を引き上げる。
先輩は腰を抜かして踊り場にしゃがみ込んだ。
私は平気なので先輩の背中を擦る。
「…あ、危なかった…」
「Aマジでナイス…よく気付いたな」
上り階段で穴がちょうど死角になっていた。
危機を教えてくれたさっきの幽霊はいつの間にか消えてしまった。
「未練を晴らしたから…ってことか？」
「なにが？？」
「いや、なんでもない」
なんにしろ無事で良かった。
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翡翠(プロフ) - ぽんちょ。さん» コメントありがとうございますm(_ _)mそうです！！まんまその二人をイメージしていただければと思います！ｗ (2022年4月8日 1時) (
レス) @page50 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちょ。(プロフ) - 空と蛍ってまさか原神ですか？www(全然違ったらごめんなさい！) (2022年4月7日 15時) (レス) @page21 id: e374329c1d (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 向月葵さん» コメントありがとうございますm(_ _)m誰かに伝わればいいなと思いながらネタを混ぜているので嬉しいです！ｗ (2022年3月21日 23時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - ストーリーの構成とか、原作との混ぜ方とかが全く違和感なくていつも楽しく読ませていただいてます。七不思議2番は少し笑っちゃいましたw (2022年3月20日 23時) (レス) @page40 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2022年3月3日 21時
