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132話 ページ39

ナナミンは別に夏油とは何もないまま仕事をしにどこかへ行ってしまった。

先程言われたとおり邪魔にならない場所、ビルの屋上に移動して下を見ていれば、後ろに誰かの気配を感じた。



「灰原くん」



振り向いてみれば灰原くんの姿。
ナナミンを離れて私のところへ来たようだった。

ニコニコ笑顔で目を輝かせている。

その視線は私というより、私の横で同じく下を見ていた夏油に向いている。



「夏油さん、お久しぶりです!!」

「…灰原」



二人の会話に割り込むのは憚られる。
柵に背中を預けて二人を見る。



「えっと、Aさんですよね! 僕、灰原雄です!!」



と思っていたのだが、灰原くんは突然私に顔を向け自己紹介ののち握手を求める。

ここで「私のことは気にせず話して」とは言えず、素直に手を差し出して握手を交わした。



「あぁ、Aです。全然はじめましてじゃないけどよろしくね」

「ですね! あのときは話せるって知らなくて、ごめんなさい!!」



先程から言葉の全てに感嘆符がつく灰原くんは、明るい笑顔で話しているが体は死んだときの姿、つまり血塗れのままだ。

握手をしたら手にベタッとした血が付着した。
私は触れられるとはいえ、こういう影響も受けるってアリかよ。せめて乾いててほしかった。

簡単な水の能力がパッと浮かばなかったので、誰もが名前くらいは聞いたことがあるだろう“ポセイドン”で手に付いた血を洗い流した。

ポセイドンの能力とか全然分からないけど正しいのか…? これ。海の神様ということしか知らない。

手も綺麗になったところで、毎回こんなことをしていては面倒なので一度灰原くんに向き直る。



「灰原くん、夏油(コイツ)もそうだけど、姿は自由に変えられるみたいだよ」

「え!?」



私が夏油を指差してそう教えると、灰原くんは驚くもようやく生前の姿に戻った。さっきまでは呪霊と言ってもおかしくない見た目だったが、これで笑顔が似合う好青年だ。

灰原くんは自分の体が綺麗になったのを見て、自分の体と私の顔を交互に何度も見る。



「ほんとだ! すごい!! Aさん夏油さん、僕元通りになりましたよ!!」

「ウッ…光属性ダメージ」

「気持ちは痛いほど分かるよA…」



キラキラ純粋陽オーラが汚い心の私達に降り注ぎ、後光が見える。

死んで尚このオーラ出せるのはもう特殊能力じゃない?

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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時

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