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129話 ページ36

「おめでとう。解呪達成だね…いった」



元いた場所へ歩いていると五条の後ろ姿が目に入ったので背中を叩く。

そこには既に目を覚ました三人と乙骨、人間の姿の里香ちゃんがいた。
五条の糾弾は耳に入れない。



「誰?」



目隠ししていない五条を初めて見た皆は疑問をそのまま口に出す。
こんな白髪滅多にいないと思うけどなあ。



「グッドルッキングガイ五条悟先生ダヨ〜

Aは無下限呪術無効化してくるのやめて?」


「マジ? てっきり解除してたのかと」



で、五条が調べたらしく乙骨は菅原道真の子孫だとか、逆に乙骨が里香ちゃんに呪いをかけていたとか。

菅原道真とか普通に学校で習うレベルの大物じゃんウケる。

どうやら日本三大怨霊の超大物呪術師らしい。
呪術の勉強はしてないからあまり詳しくないけど、平将門とかもそう…だとかなんとか。分からない。



「呪いをかけた側が主従制約を破棄したんだ。
かけられた側が(ペナルティ)を望んでいないのであれば解呪は完了だ」



里香ちゃんは少し頬を赤らめて乙骨を見ている。
とても可愛いと思う。



「……全部僕のせいじゃないか」



話を聞き里香ちゃんを見て、現実を受け止めた乙骨が涙を流す。



「里香ちゃんをあんな姿にして、たくさんの人を傷つけて、僕が夏油に狙われたせいで皆が死にかけた」



後ろの夏油をちらっと見るが知らんぷり。
元凶め、と肘で小突いておいた。



「全部っ…全部僕が…!!」



頭を抱えて蹲る乙骨に、里香ちゃんが近寄り抱きしめた。



「憂太、ありがとう。

時間もくれて、ずっと側においてくれて

里香はこの六年が
生きてる時より幸せだったよ」



里香ちゃん、母親が急死したり父親が失踪したり。
それだけならず里香ちゃんが両親を殺したと引き取り先の人達に勘違いされたりとか、なかなかな人生を送っていた。

つらい。

設定で読んだだけの浅いものだし、里香ちゃんは同情を望んでないかもしれないけど。



「バイバイ。元気でね。
あんまり早くこっちにきちゃダメだよ?」

「…うん。またね」



それを最後に里香ちゃんは、シャボン玉のような淡い光となって消えた。

感動的。
まるで映画のラストシーンみたいだ。

夏油は相変わらずツーンとしているが。



__ともあれこれで、0巻が終わった。



「……んーっっ…長かったぁ」



思いきり背伸びをして、歩いて行く皆の後ろ姿を眺めていた。


これから始まる物語に思いを馳せながら。

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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時

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