124話 -眩しい闇- ページ31
「あ、呪詛師」
東堂と別れて再び飛び回っていると、二人の呪詛師を見つけた。
確か片方はラルゥだ。高専に来てた人。
私の前世じゃアニメは未登場だったけど速○奨っぽかった気がするんだよなぁ。
別に話すこともないので近付かないでおこう。
「あら、ナナミン」
ここで黒閃を四回決めるんだ。
見たいけど暇じゃない。
「お、あれは高専生?」
秤金次が京都に出向だった気がする。多分それだ。
ここでモメて停学になるんだよな。
上から見てるといろいろ目に入って楽しいな。
そんな感じで飛んで祓ってを繰り返していると、着信。
空いていたビルの窓枠に座ってスマホを手に取る。
「もしも〜し」
「《A? 今どこ?》」
五条の声。
始まってまだそんなに経ってないが、東京側で動きがあったみたいだ。
「京都」
「《今すぐ東京高専行って》」
「京都なんだけど」
「《急げよ》」
「あ、コラ_」
切られた通話画面を数秒睨む。
…ここで五条に苛ついたって仕方がない。
多分既に夏油戦は始まっている。
私が行かなくても誰も死なないんだけど、みんながボロボロになっていることには変わりない。
窓から身軽に飛び降りて、トン、と着地した。
「“
足の速い人のことを「韋駄天走り」と言うほどに、足の速い神様らしい。
その力と、足に呪力バフをかけて京都から東京まで五分かかるかどうかくらいか。少なくとも式神に乗るよりは速い。私の術式ではこれが限界だろう。……時速4000kmくらい…?
しかしその速度で普通に走ればすれ違った人や建物に被害が出る。私は椚ヶ丘中学の先生じゃないからな。
それが分からないほど馬鹿ではないので、空中でその都度大気を凍らせて道を作っていく。
薄い氷の紙を歩いているようなものなので、私が通ったそばから崩れる。
「…っん〜〜ッ…
この感覚好きじゃないな」
前触れなしに肌にビリビリと来る。
脊髄を直接撫でられたような気持ちの悪さが体を駆け巡る。
慣れたくもない。
さっきの特級よりも強く、以前感じたことのある痺れだった。
今この状況で考えられるのは一つだけ。
「里香ちゃんの完全顕現だ」
これで二度目。
ようやく高専に着いた私は、“帳”が降りているのを確認する。
パンダが穴を開けたはずだから上がっていてもおかしくはなかったが、きちんと作用しているようだ。
そこはしっかりしておかないと後が面倒そうだから。
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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時