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118話 ページ25

「百鬼夜行か〜。かっこいいな」



響きがいいよね。
百鬼夜行とか魑魅魍魎とか悪鬼羅刹とか…

なんて呑気に言っているとパンダに叩かれる。
かなりゆるめだったので痛くない。



「オマエはもちろん呪術師側に付けよ」

「わぁーってるよぅ。
その代わり自由に動かせていただくけど」



真希ちゃんはため息をついた。



「正直オマエがいるだけで大抵の呪霊は使いモンにならなくなるけどな」

「強き私という存在ね」



私は呪霊なので呪霊が寄ってくることはない。

逆に私の呪力にあてられて呪霊が弱体化とかいうサービス付きだ。



「こんぶ」

「わかってるわかってる。祓うよちゃんと」



言ってしまえば私一人で百鬼夜行を収めることだって出来るかもしれないが、それはさすがに原作クラッシャーすぎてだめだ。

乙骨の成長のためにも、私は暗躍するぜ。



「……乙骨?」



そういえば乙骨がさっきから何も言わないと思ったら、俯いて難しい顔で黙っていた。



「…あ、ごめんなさい、なんでもないです…!」



と思えば、パッと顔を上げて笑顔を作る。
文字通り、笑顔を“作ってる”。

私は乙骨の頭に手を置いた。



「…あんまり気にすんなよ。
乙骨も真希ちゃんも、誰も悪くない。

悪いのはぜーんぶ夏油(あのクソ野郎)だからな!」



理由はどうあれやっていいことと悪いことがあるからな。

非術師を殺すより逆に非術師に呪力をあげるとかのほうが平和かとも思ったが、そしたら悪い奴の呪術を使った被害が増えるからだめだ。

いざそうなれば、呪術師飽和社会くるか…
呪霊が生まれないわけだから、呪術師は呪詛師を倒すための職業になるね。どこのヒーローアカデミア?


んん、閑話休題。


乙骨は目を見開いて、真希ちゃんは鼻を鳴らした。



「安心してよ。百鬼夜行ごときで誰かが死ぬなんてこと、私が許すわけないだろ」



目標は、死者を出さないこと。



「…あ、もちろん私の知り合いでね」

「薄情な奴」

「呪霊なんで」

「今更それ言い訳にすんな」



パンダとそんなやり取りをしていると、乙骨が吹き出す。



「…ありがとうございます、Aさん」

「ん? うん」



素の笑顔が戻ったみたいでよかった。

119話 -百鬼夜行-→←117話



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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時

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