115話 -弱者に罰を- ページ22
「寒い！！！！ 寒くないけど」
「うるせぇな、どっちだよ」
そう言う真希ちゃんに呪具で小突かれた頭を擦って、空を仰ぐ。
何か悪いことが起こる予兆かのように濁った空は、あまり気持ちのいいものではない。
側には真希ちゃん、狗巻、パンダ、乙骨。
十二月中旬、みんなの吐く息が白い。
場所は正面ロータリー。
この流れ、来ちゃう。
原作(0巻)突入しちゃう。
乙骨がなにかを察知し、嫌な感じがするとぼやく。
三人が口々に気のせいだと否定するが、残念ながら気のせいではない。
乙骨と違って嫌な感じでは無いが、私も気配を感じた。
よく知った気配。
数秒後に三人も気付き、真希ちゃんは呪具ケースを肩から下ろした。
バサバサと音を立てて、羽が四つのデカいペリカンのような呪霊が高専内に下り立った。
その傍らには見知った顔。
「関係者…じゃねぇよな」
「見ない呪いだしな」
「すじこ」
「わーでっかい鳥」
「乙骨クン緊張感」
真希ちゃんは武器を出し、パンダは拳を構え、狗巻はネックカバーを下げる。
私は推しに若干テンション上がりつつも、そんな雰囲気じゃないので表には出さない。
ペリカンの口からミミナナと……ラルゥだっけ……が出てきた。趣味の悪い乗り物だな。
「あーパンダだーかわいー！
チョコ女もガチで呪術師と一緒にいてウケるー！」
菜々子がカシャカシャとパンダにスマホカメラを向けた。
ちょっと待てチョコ女って私か？？？？
「オマエらこそ何者だ。侵入者は憂太さんが許さんぞ」
「こんぶ！！」
三人がノってふざけているのを横目で見る。
…普通に特級呪詛師の顔くらい共有しといたほうが良いと思う。
とはいえ、既に校内の呪術師が集まってきている気配がするので大丈夫だろう。
夏油が目にも見えない(私は見えた)速さで乙骨の手を握る。
ワー呪詛師握手会だ。
真希パンダ狗巻は目で追えず、その速さに驚いた。
まぁ特級だものとしか言えない。
「君はとても素晴らしい力を持っているね。
私はね、大いなる力は大いなる目的のために使うべきだと考える。
今の世界に疑問はないかい？
一般社会の秩序を守るため呪術師が暗躍する世界さ。
つまりね、強者が弱者に適応する矛盾が成立してしまっているんだ。
なんって嘆かわしい！！」
「はぁ…」
「やかましいな。憂太ちゃんが困ってるでしょうが」
乙骨と肩を組んだ夏油の顔をグイグイと押した。
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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねｗｗちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (
レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…！！ (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです！ (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2022年2月3日 2時
