109話 -可視化- ページ16
「行ってら!!」
「勝ってこいよ」
「う、うん…!」
肩掛け紐を力強く握り、緊張が顔に表れている乙骨。
そんな乙骨を、高専の入口に集まり見送る。
そう、今日は待ちに待った交流会の日。
東京が勝つことは知ってるんだけど、乙骨が行くということで私も応援に来た。
そういえば私は今まで他学年の人とは一度も会ってない。
と言っても秤しか知らないんだけど。
あ〜あ、向こうにいたら今頃新キャラ出てきてたりしたのかなぁ
いや…まぁ他は知らないけど秤は百鬼夜行で停学になったらしいから、今会おうと思えば会えるけど…知らない人に会うのってなんか怖いから…
原作読みたいなぁ
なんか転生特典で原作贈与とかないのか?
せめて内容が勝手に頭に入ってくるとか。
私の場合急すぎて神様的な存在さえ出てこなかった。
「それについてどうお考えですか」
「なにぶつくさ言ってんだ。早く訓練すんぞ」
「うぐ……はーい」
…………折角の訓練だ。
乙骨が帰ってくる日まで、ストレス発散と言わんばかりに暴れてやろう。
……………
………
…
「あー……なにしてんの?」
京都から帰ってきた乙骨と共にグラウンドに訪れた五条の足元には、ボロボロで横たわる三人の姿。
そしてその傍らにスッキリした顔でしゃがむ私。
「ストレス発散がてら、散々しごいてやりました」
「呪霊もストレスとかあんの?
…僕はてっきり、ついに呪いとしての本性を現したのかと思ってびっくりしたよ」
「いつまで疑ってんだ私のこと」
五条がそう思う気持ちは分かる。
血を吐いて気を失っている狗巻、ところどころが焼け焦げたパンダ、肌の見えるところにまで傷が広がる真希ちゃん。
この光景を見たら誰だって私を疑うだろう。
うん…??
いや、疑うっていうか私がやったんだけど。
「これで37回目の敗北だ」
真希ちゃんがジト目で私を見ながらそう呟いた。
「いやどんだけやってんの」と五条が笑っている横で、乙骨が慌てている。
「大丈夫だよ乙骨クン、やるたび治してる」
三人に手をかざし、反転術式を使う。
ものの数秒で火傷や打撲、切り傷まで全ての損傷が完治した。そいえば乙骨も反転術式使えるんだっけ?
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翡翠(プロフ) - とぅにさん» なんのことかと一瞬考えましたが吉田ですねwwちょくちょく別作品キャラおります。 (7月3日 2時) (レス) @page22 id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - ヒロフミくん出てきてびっくりしました☺️☺️ (7月2日 23時) (レス) @page21 id: 76d074d926 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 水泳進化人さん» コメントありがとうございますm(_ _)m返信遅れて申し訳ないです。自分が読みたかった話を書いて、好きだと伝えてくださる方が多く、私と同じ方が他にもいたんだなととても嬉しく思います…!! (2022年3月3日 20時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - 好きです。 (2022年2月25日 14時) (レス) @page40 id: 30ca69ad2f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございますm(_ _)mとても嬉しいです! (2022年2月7日 22時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2022年2月3日 2時