【嗜好・興味：呪霊】.3 (ページ37)

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第128話　京都校② ページ37

三人を連れてきてくれた歌姫にも座ってもらい、つまらないものだけど、と言って差し出したのはお菓子類。

各々の好みなど分からなかったので、手当たり次第と言った感じだ。

「あ、これ私が好きな……チッ」

「ではこれを」

「これは高田ちゃんとコラボしたことのある限定品…！」

三人が好きなお菓子を手に取る。

歌姫は教え子優先とでも思ったのか、全員取り終えてから好きなものを選んだ。

「残りは今いない子達にも選んでもらって、あとはみんなで分けるなりしてね」

「逆にこっちがもてなされちゃってるじゃない」

俺が好きでやってるんだから、そこはいい。

「じゃあ本当に少し顔出しに来ただけだから、帰るね」

報告書まだだし、と立ち上がる。

「もう帰るのか。これから録画した高田ちゃん出演の番組を見ようと思っていたのだがな」

「あー、また機会があれば」

目を向けた時にはすでに包装を開けて菓子を口に入れていた真依に苦笑いして、じゃあ、と部屋を後にした。

そういえば明の弟もいない。
残念だ。いつか会えるといいのだが。

京都校を出たあと、悟に連絡しようとして気付く。

「？」

知らない番号が登録されていた。
気味が悪いので消そうかと思ったが、その瞬間その番号から着信。

とりあえず一度出てみようと思い、ボタンを押した。

「もしもーし」

《おっ繋がった。さっきぶりやねー三那人くん》

どんな輩かと思えば、向こうから聞こえた声は禪院直哉のものだった。

「いつの間に登録してたんだ気持ち悪い」

《辛辣やわー三那人くんやなかったら殺してるで？》

なんで自分だと殺されないんだ、と言おうと思ったが、別に理由なんて興味もないので飲み込んだ。

飲み込んだ、のだが。

《なんでやって聞きたいんやろ？そんなん三那人くんが俺のオトモダチである他に理由あらへんやん》

「聞いてないこと言わないで」

どうしても友好な関係でいたいらしい。

正直ドブみたいな地に落ちた性格の直哉とはあまり会話したいとは思わない。

顔だけが取り柄なのに、顔の見えない音声通話をするメリットが無さすぎる。

《俺ちょっと話したいことあるねんけど、今から来……》

「俺は話したいこと無いんで。じゃ」

ブツッと問答無用で切った。

なにか言ってた気がしたが、知らない。