第53話 反省 ページ6
漏瑚は歯を見せて笑った。
「結果儂らが全滅してもだな」
(…は？全滅？)
「いいだろう。
百年後の荒野で笑うのは儂である必要はない。
呪いが人として立っていればそれでいい」
(え、嫌なんだけど…)
この呪霊達は
それを俺が受け入れられるかは、また別の話である。
「じゃ、まず高専の保有する六本の指を回収するよ」
「必要か？術師は宿儺の指を取り込ませるために虎杖悠仁を飼っているのであろう？放っておいても勝手に食うだろ」
「飼ってるって言わないでよ俺の友達を」
その後の傑の話を要約すると、「悠仁がいつ暴走するか分からないから、悠仁が消される前に自分達が先に全部集めて渡しちゃおう」ということだ。
「虎穴に入らずんばか…さてどうしたものか」
「手は打ってある。そのために手持ちの指を高専に回収させたんだから」
立ち上がる。
左腕はあと指先だけになっていた。
「君が協力してくれるなら早いんだけど」
(…あ、俺？)
傑と視線が絡む。
「呪霊は好きだけど、味方する気はないよ？俺が強ければもう全員祓ってるんだからね！」
順番に真人と漏瑚を指差す。
漏瑚は激昂するかと思ったが、どうせ祓えないからか気にしていない様子だ。
傑が歩いていく方に、真人と漏瑚が着いていく。
「どこ行くの？」
俺は真人の横に移動。
「領域だよ」
らしいので、俺も行くことにした。
計画を聞きすぎて、こんなに黙ってるのはもはや呪詛師なのではないかと思い始める。しないと言いつつ協力していることになるのではと。
なんてぼやいたら「呪詛師向いてるんじゃない？」と傑に言われて背中を蹴った。
「酷いじゃないか」
「呪霊が好きなだけで傑のことは好きじゃないよ？」
「それは傷付くな」
(思ってもないくせに)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年5月14日 22時
