【嗜好・興味：呪霊】.2 (ページ46)

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第92話　休暇② ページ46

「おはよう」

「ぐえっ」

翌日。

目が覚めてすぐ隣の部屋に飛び込み、ベッドでぐっすり眠る悠仁の上に座った。

「鍵閉めときなよ不用心だなぁ」

「三那人！帰ってきてたんだ！」

俺は悠仁の上から退き、悠仁は起き上がる。
上を着ていなかった。

ちなみに俺にそんな趣味はない。

「時間とかなにも言わなかっただろ？だから昨日の夜には帰ってた」

「まじ！？ごめん！てか今何時？」

ベッドから出てさっさと服を着た悠仁は、置いてある時計を確認した。

「八時半か！東堂との待ち合わせは十時だからまだ大丈夫だね」

「そう」

どさっと悠仁のベッドに背中を預けた。
まっくろくろすけで行くわけにもいかず、着替えなければならない。

(後は…財布とスマホと…)

悠仁は荷物の準備を始めたため、せこせこ動いている。

俺は寝転がったままそんな悠仁を横目で見ながら、ふと交流会のことを思い出した。

「悠仁。あの特級どう思った？」

一瞬手を止めた悠仁だったが、すぐ行動を再開する。

「どうって…次はぜってぇ祓う。それだけ」

そう言って、また手を止めて俺の方を見る。

「それにアイツ、あのツギハギ呪霊の仲間だ」

怒りのこもった目をしている。
悠仁は俺が傷付けられた怒りを真人に向けている。

(同じ等級内での格差が…)

というより、特級より上の等級を作った方がいいと思った。

あの呪霊達が他の特級と格が違うのは、俺じゃなくても分かったはずだ。

「よし、準備できた！」

「んー、俺も着替えてくる」

悠仁の部屋から出て自分の部屋のクローゼットを開けるが、着ていけるような服がなにもなかった。

ファッションセンスなど無いから編むにも資料がいる。

(ここは、そうだな…)

京都校の子達と親交を深めることにした。

＿＿＿＿＿＿

「…アンタは」

「華御先生だよ」

京都組が滞在している場所へ来たが、メカ丸は言わずもがな…憲紀は療養中で真依と葵は不在。

いたのは桃と霞だけだった。

「何かありましたか？」

「二人に頼みがあるんだけど」

二人は頭にハテナを浮かべ、顔を見合わせる。

「俺の服を考えてくれない？」

二人がどうかは知らないが、こういうのは女の子の方が向いていると思った。