第71話 襲撃�� ページ25
呪詛師は特級には劣るものの、なかなかに
「あの生臭坊主騙しやがったな」
「華御、先に行け。学生の保護を優先、勝てそうな相手であれば戦え」
「了解」
呪詛師は学長に任せ、離れる。
円を広げて気配を探り、方向を見極める。
少し遠いが三人一緒に移動している気配がある。
そのすぐ後ろに強い呪力。
花御はそこだろう。
区画内には少なくとも二人の呪詛師と花御。
呪詛師の気配が分からない以上、俺は花御のところに向かう。
眠ってた霞は冥さんが見てくれているはずだから、残りの呪詛師にだけ気を付けながら。
「…っは」
後ろから殺気を感じて咄嗟に避ける。
目と鼻の先に刀があった。
「あれっ？絶対斬ったと思ったのに、これだから俺は…」
刀を持った金髪サイドテールの男は、残りの呪詛師だろう。
等級は高くなさそうだが、術式が分からない以上即決するのは得策じゃない。
「いいでしょコレ。
オマエは非力だから刀からも握ってもらえって。
ねぇ、お兄さんは俺に何をくれるの？」
ニヤつきながらペラペラと自分の話ばかり。
「出会い頭に自分の話ばっかりしてるとモテないよ」
術式だけ警戒して俺も発動させる。
逃げる間もなく横から樹木を生やして呪詛師の体に巻き付け、塀に拘束する。
誰も死なないように、少しでも早く花御のもとへ向かわなければならない。コイツに構っている暇はなかった。
それにここで出てきてくれてかえって好都合だ。
これで花御に集中できる。
「うわ、なにこれぇ〜どけてよ〜！」
暴れつつも抜け出すことは出来ない様子。
術式は分からないが、何かしてくる様子が無い以上は戦闘向けじゃなさそうだ。
(このまま置いといて、先に行かせてもらおう)
三人はまだ逃げているようで、追いつこうと足を早めるとスマホが鳴った。
「恵？」
≪華御先生！！特級がいます！！五条先生にれんら＿≫
焦った様子の恵。
そこで通話は切れてしまった。
スマホが壊されたか、恵になにかあったのか。
まだ電波遮断されていないだけ良かった。
そこまで距離は無く、ただ走っていくには遠回りなので足元から太い木を顕現させる。
それに乗って高く上がり、戦う学生達を視界に入れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翡翠 | 作成日時：2021年5月14日 22時
