第67話 京都姉妹校交流会 -団体戦��- ページ21
その後悠仁は立ち上がり、なんやかんや……
円では会話までは聞こえない。
上の方に桃が飛んでいることに気付く。
「んー……ねぇ三那人、見えてんでしょ？状況教えて」
乱れる映像に痺れを切らした悟が、前から俺の膝に手を置いて揺らした。
現在ここで悠仁周りの状況が見えているのは俺だけ。
「ん。
えーっとね。
葵と戦ってた悠仁の周りに京都校の子が全員集合。
真依が悠仁に向けて発砲。
霞が悠仁を切っ……あ、失敗した。
メカ丸が何か撃とうとしてて、真依と憲紀も武器を構えてる。
ん…？
これ、悠仁殺そうとしてない？」
それになんだか睨まれていると感じて後ろを見ると、やはり怖い顔の楽巌寺学長がいた。
意図は分からなかったが、不愉快そうだ。
「いいよ、続けて」
「…うん。
あ、憲紀と悠仁の位置が入れ替わった。葵の術式かなぁ。
京都が……っていうか葵が仲間割れしてる…京都校撤退。
あ、桃が鵺に落とされました」
あとは悠仁と葵がまた戦いを再開したので、実況を終わった。
「うん、オッケーありがと」
「ん」
悠仁ばかり見ていたが、他の学生を探す。
空から落ちた桃のもとにパンダと野薔薇が行き、恵と憲紀、真希と霞が戦っていた。
「…なんか聞こえた？」
「東堂かしら」
円も映像も関係なく葵らしき声が聞こえた。
結構距離もあるというのに。
葵は未だ悠仁と戦っている。
乱れる悠仁と葵の映像に対して、他はなぜか一切乱れてないので画面に目を向けた。
桃と野薔薇がバチバチしている。
(女の子は怖いなぁ)
急にパンダが撃ち抜かれた。
その背後から、メカ丸。
桃も木から降りてきたとき、パンダがすぐに起き上がった。
そのままメカ丸の顔面を殴る。
パンダがまた何かを言って、今度はメカ丸があからさまにキレた。
「呪霊狩りはどうした」
「まぁこうなることは分かってたがな」
(俺達は見てて飽きないからいいんだけどさ？
こう、なんか…友情の深め合いとか…)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年5月14日 22時
