【嗜好・興味：呪霊】.2 (ページ20)

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第66話　京都姉妹校交流会　-団体戦- ページ20

冥さんと学長二人のいる部屋に戻った頃には、開始数分前。俺は円を発動させる。

「開始一分前だよ〜」

渡されたトランシーバーのようなもので放送を始める。

これは会場にあるスピーカーから流れる。
全体に聞こえているはずだ。

「俺達は見てるだけだから楽しいけど、あんまり興奮しすぎないでね〜」

開始の合図まで続けようとしたら悟が奪う。

「ではここで歌姫先生にありがたーい激励のお言葉を頂きます」

「はぁ！？え…えーっと
あー…ある程度の怪我は仕方ないですが…そのぉ…時々は助け合い的なアレが…」

「時間でーす
それでは姉妹校交流会ぃ…」

キレる歌姫をいつも通り無視し、悟は溜めに溜める。

「スタァートォ！！！」

叫んだ。

後はずっと観戦だが、何か起きたときは教師陣の出番。出番など無い方がいい。

俺は円と画面に集中する。

実は、円を少しレベルアップさせることに成功していた。

前までは全体をなんとなく把握するだけで出来ることは限られた。

が、狭く発動させることである程度の詳細が分かるようになった。ほんの一ヶ所に限られるが。

そこで俺は、交流会の会場だけを囲むように円を広げた。

東京と京都で離れた場所からの開始。
スタートと言ってから少し経つが、互いにまとまって動いている＿＿と思いきや、京都側から一人誰かがすごいスピードで移動していた。

感じる呪力の確認で画面を見ると、やはり葵だということが分かる。

それが分かったときにはもう東京側に到着していた。早速悠仁が膝蹴りを入れ、葵の顔にヒット。

画面にも映ってるかと思って視線をずらすが、なぜか映像が乱れていた。

東京の作戦だろうか、悠仁を葵にぶつけて他は二手に別れて移動を始めた。

なぜか悠仁と葵の戦闘だけ映像が乱れるので、俺は円だけに集中するため目を瞑って観戦する。

(冥さん、わざとかな…)

悠仁に何度も蹴りを入れている葵。
やりすぎで死んでしまいそうだ。

興奮しないようにと言っておいたのだが、意味がなかったようだ。

悠仁は動かなくなった。