第64話 京都姉妹校交流会 -会議��- ページ18
東京校はかなりキャラが濃いが、京都も同じくらい濃い。
特に桃とメカ丸。
箒を持っていた魔女っ子と、人間ですらないロボット。
開始が十二時からなので教師陣はしばらく暇になる。
俺は特級の気配にだけ注意して一眠りしようかと思っていたのだが、悟に左腕を引っ張られる。
「ちょっと、手袋取れるだろ」
「ごめんごめん、話したいことあんだよね」
悟は歌姫も連れ、三人で観戦部屋を出る。
場所は休憩スペース。
最近順平やけーくん、悠仁と話したところだ。
悟がかしこまって話すなんて滅多にないから、なにかあったのかと勘繰る。
「それで、話って？」
歌姫が切り出す。
「高専に呪詛師…或いは呪霊と通じている奴がいる」
「！」
「有り得ない！！
呪詛師ならまだしも呪霊と！？」
一瞬ドキッとする。
でもよく考えたら、俺は別にこちら側の情報を内通しているわけでもなし、むしろ傑達は俺が言うまでもなく
まぁなんでも知っているということは、つまり内通者がいるということだ。本題はそれである。
「そういうレベルのが最近ゴロゴロ出てきてんだよね。人語を介し、徒党を組み計画的に動いている」
あの特級呪霊達のこと。
「本人は呪詛師とだけ通じてるつもりかもね。
京都側の調査を歌姫に頼みたい」
それを聞いた歌姫が息をのむ。
「……私が内通者だったらどうすんの？」
「ないない！歌姫弱いし、そんな度胸もないでしょ」
なぜいちいち煽るのか分からないが、その通りではある。
キレた歌姫がお茶の入った湯呑みを投げつけるが、無限に阻まれた。
俺は喧嘩する二人を眺めて、一段落したところで口を開く。
「ねえ、歌姫はいいとして俺はどうなの？俺の場合呪霊と通じててもおかしくないよね？」
呪霊好きを日頃から公言しているし、実際“仲良く”している。
なぜここに自分を混ぜて話したのか分からなかった。
悟は、うーんと少し唸って頬杖をついた。
「確かに、内通者だって言われて一番納得出来るのが三那人だよね」
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年5月14日 22時
