【嗜好・興味：呪霊】.2 (ページ14)

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第61話　京都姉妹校交流会　-会議- ページ14

「皆…アンタも、なんで手ぶらなのー！？」

学生を見つけて近付くや否や、野薔薇の異変に気付く。キャリーケースに肩掛けバッグと完全に旅行モードだった。

「オマエこそなんだその荷物は」

「何って…これから京都で(・)姉妹校交流会…」

「京都の(・)姉妹校と(・)交流会だよ。ここでね。誰も教えてなかったの？」

野薔薇は京都観光する気満々だったようで、ショックで項垂れてしまった。

去年は憂太がいたから圧勝だったのだ。

という話を聞いて、野薔薇は会ったこともない憂太にキレている。

「暇があるときに行けばいいよ」

なんて慰めた。

「おい、来たぜ」

真希の声に振り向くと、視線の先に京都校の面々。

「あらお出迎え？気色悪い」

「乙骨いねぇじゃん」

数人で並んでいると葵の身長が目立つ。
というか全員個性が強い。

(花御とどっちが大きいかな。さすがに花御かな)

呪霊と背比べしてる場合ではない。
京都と東京の学生達がバチバチしている。

京都観光できなくてイライラしている野薔薇に、金髪の魔女っ子がドン引き。

ロボの子は確か俺と似て非なる、例の天与呪縛の学生だ。単純な呪力量で言えば彼のほうが上かもしれない。

ほぼ初対面の俺でも、糸目の子は見たことがあった。

ロボの子が一年二人はハンデじゃないかと言うのに対し、糸目の子が答える。

「呪術師に歳は関係ないよ。
特に伏黒君。彼は禪院家の血筋だが、宗家より余程できが良い」

恵が禪院家の人間。

術式と華御家の話でなんとなく察してはいたが、やはりそうだったかと納得する。

その言葉に真依が舌打ちした。
彼女も禪院だが、彼に侮辱しているつもりはない分悪質だろう。

「はーい内輪で喧嘩しない。まったくこの子らは」

その声と共に階段を上がって来たのは、京都校の引率で準一級の歌姫。

「で、あの馬鹿は？」

「悟は遅刻だよ」

「悟(バカ)が時間通りに来るわけねーだろ」

叱るほどでもない遅刻を繰り返す悪い癖。

とはいえ今回に限っては俺は事情を知っているので何も言わない。