ヲタ女子は怯える�� ページ40
「ソイツ渡してくれんならオマエは生かしてやるよ。まだ先は長ぇだろ」
さっきのわしの姿を見ているので、そんなことを言ってるんだろう。
全然警戒されていない。
耳を怪我してる。
でもそれだけ。
夏油傑は、ほんの少しの足止めだった。
どうすればいい。
わしが伏黒甚爾に勝てるわけない。
五条悟が起きるのもまだ先。
伝えるすべがない。
援軍は来ない。
「わっ……わたしの、術式は、あらゆるものを変化させます！！」
「……」
天内を抱えたまま、頭に浮かんだことをとりあえず声にする。
「解除のひつっ…必要は、ありません！！バレない、はずです…っ」
「何が言いたいか分からねぇな」
「こッ…こういう、ことです」
大きめの瓦礫に片手で触れた。
「見かけだけ、だけど……死体、なら…これでいいはず、ですっ」
形を変えて出来上がったのは、精巧に作られた人形。
勿論心臓は動いていない。
が、必要なのは死体。
心臓が動いていない＿＿＿＿否、心臓などなくともバレない。
天内理子に外面だけ似せた、空っぽの人形。
「…へえ」
「ひっ…」
突然近付いてこられて後ずさるが、伏黒甚爾はわしに見向きせず人形に触れる。
持ち上げて、重さや細部を見ている。
「器用なもんだな。……そんなに甘いと思ったか？」
「……っ………ぅ」
負ける。
無理、負ける。
五条悟と夏油傑が負けた相手に、わしの勝機はない。
死ぬ。
「………ハッ
そんなに構えんな」
「…っ…！？……？…」
一挙一動にビクビクしてしまう。
「生きてんのがバレたらめんどくせぇ。ソイツの顔変えとけよ」
「……！」
伏黒甚爾は人形を持ち上げ、背を向けた。
「俺は金が貰えりゃいいからな」
偽装でいいなら、最初からそうする。
そうしなかったのは、バレないレベルの偽装が困難だから。
わしの作った人形を見て、いけると確信したのだろう。
姿が見えなくなるまでは、警戒していた。
「……たす、かった？」
気が抜けて、体格が元に戻る。
「いっ…」
天内を落としてしまうが、気を張り詰めすぎていたせいで体が動かせない。
人生で一番の困難を乗り越えた、ような気がする。
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翡翠(プロフ) - 月見山さん» 嬉しいです！ありがとうございます！！ (12月26日 17時) (
レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - Naさん» だいたい週一くらいで更新します！ありがとうございます！ (12月26日 17時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
月見山 - とても面白かったです！！ (12月23日 22時) (レス) @page39 id: 1c5cb15ccc (このIDを非表示/違反報告)
Na - 真面目に大好きです！続きずっと待ってます。 (12月23日 21時) (レス) @page39 id: da955bb30a (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 風花さん» ありがとうございます！ちょくちょく書きます！ (12月17日 0時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2023年10月11日 15時
