4話 ページ6
お互いにまっすぐ目を見ながら、真人が口を開いた。
「俺は、人。人間から生まれた呪い。よろしくね」
「えーと…正体不明の呪いです。よろしく」
「ぷっははは！！ 本当に面白いね、君は」
また笑われてしまったけど、分かんないもんはそう言うしかない。
しかしなんというか、絵ではなく実際に真人の口から声を聞けるなんて……
でも、今の自己紹介にはおかしなところがある。
「名前は…固有名詞は無いの？」
「俺の名前？ ないよ、人間じゃないんだから」
「そっ…か」
先程から頭の中で真人真人と言っていたこの呪霊には、まだ名前が付けられていなかった。
ということは今はまだ私の他の推し達、夏油(羂索)及び呪霊組とは出会っていないということだ。
真人に会えたことで期待してたけど、少し残念。
真人って作中で生まれたばっかの筈なんだけど、時系列いつだ…？
「今って西暦何年？」
これさえ分かれば、今がどうなっているのか全て分かる。
人間の装いを見るに年末年始か、どちらにしろ冬だとは思うけど。
「今？ 今は…2016年？ とか人間が言ってた気がするよ。もうすぐ年明けとか」
「そっか、ありがとう」
2016の年末。
つまり来年、百鬼夜行だ。
あれ？
ちょっと待って、夏油傑くんご存命じゃねえか！！
「でもよくある救済とかしちゃったら呪霊ズが集まらないのかな…いやその前に私も呪霊か…まさか敵…？？」
「また独り言ー！」
わしわし肩を揺らされる。
頭が揺れる！！
「ちょ、ちょっと止ま、止まって！」
「初めて普通に会話できる呪いに会ったんだから！ 俺の相手してよ！」
「わかったって！」
推しの初めて貰っちゃった。
真人も寂しかったのかなとか考えると愛おしい。
真人はハンモックには乗らず、私のいた段差に座った。
私も横に座る。近い。
「それより、名前。ないと不便だよね」
真人とうっかり呼んでしまいそうになって、私も不便。
「まともに会話したことないから、考えたこともなかったよ」
「…だろうね」
話さないなら名前も必要ないんだから。
「ここでひとつ！ 私が君の名前を付けてあげようかと提案したいんだけど！」
いつどのタイミングで名付けられたのか知らないが、今無いのなら私が付けてしまえばいい。
という安直な考え。
それでも真人は嬉しいようで、途端に笑顔になった。
「やった！ 早く決めてよ！！」
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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (
レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません？？？お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…！ (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ！ (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります！ (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年11月15日 1時
