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2話 ページ4

「呪霊だよ。なにから生まれたのかは俺には分からないけどね」



しばらく笑って落ち着いた真人は、改めて私に向き直った。

顔が良い。顔が良い。(二回目)



「私が、呪霊……強いのかな?」

「どうだろう。呪力は多いみたいだけど」

「そっ…か…」



と、言われてもまだ自覚がない。

でも確かにそれなら、通行人にことごとく無視されたのにも理由がつく。



「ま、とりあえず着いてきなよ」

「え、うん………ちょっ…待ってよ!」



言うなりひょいひょい歩いて行ってしまうので、小走りで追いかける。


……真人と歩いている事実が胸に刺さる。
そんなに前世で徳を積んだ記憶は無いんだが。



「なにブツブツ言ってんの? 着いたよ」

「あ」



どこかの住宅街のトンネル。
生活排水が流れているようだが、浄化処理されていて不快感は薄い。

作中の場所とは違うようだ。

真人は吊るされたハンモックに寝転がるので、下の段差に腰かけた。



「それ鬱陶しくない? あげる」



投げられた黒いものを受けとると、それは髪ゴムだった。

真人が使っているものと同じ。



「ぉ、お揃い…」



動揺で爆発しそうな心臓を抑え込んで、重たい髪を高く結った。

なんだろう、人型呪霊は毛量が多くなる呪いでもかかってるの?



「ところで君さ、自分がなんの呪いかも分かんないんでしょ?」

「…うん、まぁ…さっき気がついたばっかだし」



冷静に会話が出来ている私をどうか誉めてほしい。

すごく心臓がうるさい。
舌噛みそう。



「変わってるね。俺と同じ人型だから、なにかしら人間に起因した呪いだと思うんだけど」

「人間…」



じっと自分の両手を見つめる。

呪力なんてものは全く感じない。

どういう感覚なんだろう。某オーラとか霊圧とかそういう類いのものだとは思うけど。



「呪いの体は呪力そのものなのに、感知できないって…」

「変わってるね」



いくら呪術廻戦が好きでも、術式の使い方なんて分かるわけもなく。



「一回戦ってみる?」

「…えっ」



真人の手から落とされた石ころくらいの物体。

それは地面につく前に変形を始め、次第に大きくなって…


真人の改造人間。


気持ち悪い造形のそれは、人間と同じくらいの大きさで止まる。



「協力してくれてるのは分かる……けど!」



繰り出される拳を全力で跳んで避けた。



「急すぎッ!!」

3話→←1話 -転生、修行-



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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時

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