【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【1】

23話 ページ29

結局ただ私の腕を掴むだけに変更。

無限に触れることを少しだけ期待していたが、どういうわけか解いているようだった。

漏瑚が危機感の欠如とか言う気持ちも分かった気がする。
一応私特級ぞ。



「うわっだから飛ぶ前に言って」



再び一瞬で景色が変わり、高専内…ではなくギリ敷地外。

高専に登録してない呪霊が入ったらセキュリティに引っ掛かるから当たり前だ。



「いつまで掴んでん…だッ！？」



腕を掴まれたまま背中に鈍い衝撃が走って、勢いのまま吹っ飛ばされてしまった。

痛くないけど、一瞬息が出来なくなってびっくりした。
「カハッ…！」って感じ。

五条先生に蹴り飛ばされたらしい。



「なんで！？ 和解したじゃん！」

「してないよ。呪霊をそう易々と逃がすと思った？ バカだねぇ」

「うっっざ」



石垣に打ち付けられてバキバキになった骨も、掴まれたまま引っこ抜かれた腕もすぐに治して立ち上がる。

心から呪霊に生まれて良かったと思う。
痛いの嫌だから。


それはいいとして、とりあえず目前に迫る五条先生の蹴りを避ける。

私の腕投げ捨てんなよ。すぐ消えたけど。



「へぇ、治んのはやいねー」



さっきまでと態度は変わらないのに、殺気がダンチだ。

怖すぎだろ。これが呪術師最強作中人気ナンバーワンの五条悟か。



「つっても、大人しく祓われるつもりはない」



少なくとも、推しのみんなに会うまでは。

余裕こいて煽ってくる五条先生に人差し指を向けた。
呪術師相手に使ったことはないけど…



「“死神”」

「は？」



ドサッと、五条先生が突然倒れた。


私の人差し指を中心に白い玉が顕現される。
夏油の呪霊玉の白い版と言えば分かりやすい。

簡単に言うと魂だ。

ちなみに人間の魂が白く、呪霊の魂が黒い玉になる。



「できた、マジか…」



五条先生の魂を持ったまま立ち尽くす。


勝っちゃったんだけど。

最強に勝っちゃったんだけど。



「私が最強」



ぐちぐち言われたくないので魂と話はせず、片手に五条先生の肉体を担ぐ。

長い。体が。



「ナナミンのお見舞い行こ」



花御が結界に入れた理由は結局分からなかったけど、とりあえず「植物には機能しないでしょ」というこの人の言葉を信じようと思う。

植物系の伝説の生き物とか妖怪が思いつかなかったので、狐で体の作りだけを植物に変化させた。


擬似花御。



「しっつれいしま〜す」



高専の敷地に足を踏み入れた。

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