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9話 ページ11

結局、伊地知さんが払ってくれることとなった。

外で会計の終わった商品が入った袋を手渡され、ありがたく受け取った。



「ありがたいけど、呪術師関係の人でしょ? 呪いにこんなことしてもいいの?」



体裁とかではなく、私の本心だ。

後でバレたときになにがあるか分からないだろう。

しかしそんな心配は杞憂に終わった。



「あ、いえ…ごじょ………上司がそうしろと仰ったので、大丈夫です」

「そうですかー」



五条って言いかけたよね。

え? 私、五条悟に認知された?

なんでそう指示したのかは分からないけど、祓いに来られるよりは良い。



「ではこれで…」

「あっ待って!」



またすぐ離れようとする伊地知さんを引き止める。

びっくりした顔で私を見る。



「えっと、これ」



さっき充電したスマホを取り出す。

なぜか前世の私のスマホで、ただ"呪術廻戦"という情報が丸々抜かれただけ。

そのため、この際だから連絡先をゲットしてしまおうというわけだ。


真人はスマホを持っていないのでしょうがない。



「携帯…誰のですか?」

「私のだよ。生まれたときから持ってたの。
連絡先交換しよー!」

「えっ!?」



呪霊がスマホを持っていることに驚いたのか、連絡先を欲しがることに驚いたのか。

なんにしろ目を見開いている。



「呪術師としても、敵の情報持ってたほうが良くない?」

「えっ…それは…」



建前です。
ただ私が交換したいだけ。


伊地知さんはスマホを取り出して、タタタタタっと高速でなにかを打ち込んでいる。

五条先生に聞いてるのかな。



「…あ、では、よろしくお願いします」

「わーい」



前に出されたスマホの連絡先を入れた。
ついでにL○NEも交換。

呪霊の声が電話で伝わるのか分からないから、基本的にメッセージでやりとりだろう。



「よし、完了! 伊地知って言うんだ。噛みそ〜」



LINEに表示された伊地知潔高の文字を見てほくほくする。

私はここで初めて伊地知さんの名前を知った…ということになる。



「あ、はい。貴方は、呪霊なのに名前を持っているんですね」

「まぁねー! Aだよ、よろしく!」



手を掴んでブンブン振る。



「わっ…」

「わお。非力だね」



腕を振っただけでそんなに力を入れていないのにガクガクと体ごと揺れる。

簡単に壊れてしまいそうだ。


庇護欲…

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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時

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