第三話 ページ5
激しい頭痛がした。
そっと目を開けると＿白い、飾り気のない天井が目に入る。
体だけ起き上がり、辺りを見る。
どうやら転生は成功したようだ。
場所は＿＿宝石の国だろうか。
部屋の構造に見覚えがあった。
異世界転生と言うからなろう系のようなものを想像していたのに、漫画の世界とは聞いてない。
とはいえ知識はある。
人間が滅んだ世界で戦う宝石達の物語……
体の感じ、私は宝石では無さそうだが。
衣服は着ている。
誰かが着替えさせたのか、それともあの少年の計らいかは分からないが、白く薄い素材のワンピースのようなものだ。
ここに直接転生というのもおかしな話だから、誰かが運んでくれたのだろうか。
窓の外は明るい。
部屋に差す光が、白い部屋をより一層白く見せる。
ふと、入口に立つ緑色。
彼は＿＿
「目覚めたんだな」
「先生を呼んでくる」
「といっても 分からないか」
私は転生した。
つまり、彼らにとって私は末っ子にあたるのだろう。
そして生まれたばかりで、歩き方、まして言葉が分かるとは思っていないはずだ。
今歩いていった緑色＿もといジェードが、先生を呼びに行った。
自分で言うことでもないだろうが、私は好奇心旺盛な自覚がある。
立ち上がり、軽く背伸びをする。
まるで自分では無いように体が軽かった。
ふと、違和感に気づく。
無いのだ。
人間にあるべき、各部位の膨らみが。
確認も込みで体の隅々を確認する。
私の体は、この世界に合わせたつくりになっているらしい。
ただ、あるべきものが無いこと以外は通常の人間と同じらしい。宝石のように硬くはない。
自分のことは理解した。
次に確認するのは私の扱いだ。
先に確認した通り、私の体は宝石ではない。
ふいに自分達とは違う生物が現れたら、宝石達は＿＿“先生”は、どうするだろうか。
そも、私の記憶では先生は“人間”を知っている。
理由までは知らない＿＿完結まで読めたわけではないから、分からないことは多い。
ただ、大昔に滅びたと思っているはずだ。
私のことをどうするだろう。
ひとまず部屋の外に出る。
昼間なので宝石達は見回りだろうか。
誰も見当たらない。
知識はあってもさすがに地図は把握していないため、適当に歩いてみることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
