第二十七話 ページ29
勉強するのに借りた本を返そうと図書室にやってきた。
「頑張ってるね」
そう私に話しかける宝石は。
「ゴースト」
どこか儚げな雰囲気の宝石＿ゴースト・クオーツは、相棒だったラピスラズリが月に行ってから図書室管理の担当をしている。
司書さんのような感じだ。
「本を返しに」
「うん」
持ってきた本を元の場所に返し、早く仕事に戻る。
図書室を出るときにフォスがいたが、私に気が付く様子はなかったので声はかけなかった。
………………
(今)
(みてるのは)
(先生の本当なのか)
(それとも)
………………
月人が三器同時に出現したそうだ。
先生には待機を命じられたので、遠くの空に浮かぶ月人とその場の宝石たちとの戦闘を見ていることにした。
北東と南南東と真東に出たようだ。
「あ」
しばらく眺めていると、北東の月人が霧散してしまった。
三器同時に現れる月人は、一器霧散させるとその他の二器は猛烈な速さで逃げるという。
ただ、様子がおかしかった。
いつまでたっても逃げる様子がない。
たしかここはゴーストが危険に冒され先生が助ける場面…だったはずだ。
記憶の中のシナリオ通りに東の月人が霧散した。
少し遅れ、最後の一器も霧散する。
私は、仕事に戻る。
………………
(先生は)
(ひそかに自分を砕いてまで戦ってる)
(一方で月人と親しいなんらかがある)
(見極めようと近づくほど)
(わからないことが増えていく)
………………
「ん」
自分の砕いた欠片を
静かに海へ落とす金剛。
ミシ、と音をあげ
腕のひびが塞がっていく。
「忌々しい……」
「ねむい……」
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翡翠(プロフ) - おうるさん» コメントありがとうございます。更新が遅くて申し訳ないです…。励みになります。 (2019年11月19日 19時) (
レス) id: 845110876f (このIDを非表示/違反報告)
おうる(プロフ) - めっっっっちゃこの作品好きです!!!!!更新頑張ってください!!(*^^*) (2019年11月19日 18時) (レス) id: 3d90f48b0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2019年8月14日 2時
